【提言】ユーロ崩壊と円高の終焉は近い=藤巻健史氏[12/06/01]at BIZPLUS
【提言】ユーロ崩壊と円高の終焉は近い=藤巻健史氏[12/06/01] - 暇つぶし2ch3:のーみそとろとろφ ★
12/06/05 00:44:45.66
>>2より
<円高という固定相場制の終焉>
さて、おできの問題は、日本も無縁ではない。
一見、変動相場制を採用しているように見えて、実は機能していない国の典型が日本であると先ほど述べた。
実際、多くの外国人が指摘するように、日本こそ世界最大の社会主義国家であり、
実質的には固定相場制の国なのである。
そうでなければ、経済ファンダメンタルズと乖離した長期円高トレンドの持続は説明がつかない。

普通、経済が下降して魅力的な投資案件が国内から失われれば、
資金はより魅力ある海外に流れるはずだ。
変動相場制が機能していれば、そこで円安に切り替わったはずである。ところが、それが起きなかった。

為替が国力を反映して動かないのは、この国が真の資本主義国家ではないからだ。
資本主義が徹底されていたら、超低金利の日本国債にこれほど投資が集まり続けるわけがない。
預かったお金の8割を国債で運用している実質国営のゆうちょ銀行の存在に象徴されるように、
市場原理が無視され国内に資金が滞留したことが、実体経済から乖離した円高の原因なのである。

しかし、このおできも、もはやこれ以上の膨張は許されまい。
どこかのタイミングで、事の深刻さが強く認識され、国債が暴落し、急激な円安に転じる可能性が高いと思う。

しかし、繰り返すが、長い目で見れば、それは悪い話ではない。
円安が進めば工場も戻ってくるし、観光などサービス業の国際競争力も回復する。
魅力的な投資物件も生まれ、ハードランディング後に逃げ出した資金も再び日本に戻ってくるだろう。
そしてその結果、今度は円高にシフトする。市場原理が偉大であるゆえんだ。

なお、最後に補足すれば、私は20年後もドルは世界の基軸通貨であり続けると考えている。
輪転機を回すだけで世界の富を買えるという特別の立場を米国が手放すはずがない。

ドル凋落の根拠として、貿易赤字(経常赤字)と財政赤字の「双子の赤字」問題に言及する人が多いが、
それは実は多くの先進諸国に当てはまる論理だ。日本もすぐにではないにせよ、
やがては慢性的な経常赤字に転落する可能性がある。ドルだけが弱くなる特別の理由はないのだ。
ドル基軸通貨体制の崩壊論を説くよりも、むしろ多くの通貨が弱くなる、
つまり世界的なインフレの足音が近づいていると捉えるべきなのではないだろうか。

いずれにせよ、20年後の為替市場は、各地でおできの破裂を経て、真の意味での変動相場制に移行していると思う。
そうなると、世界経済が不安定化するとの見方も出てくるかもしれないが、私の見解はその逆だ。
先物、オプションなど、為替のデリバティブが大いに発達し、
個人や企業がヘッジ手段としてデリバティブを多用するようになり、
より効率的な変動相場制が確立するとみている。そうした仕組みは、必ずや世界経済の安定化に資するはずだ。

(6月1日 ロイター)

*藤巻健史氏は、フジマキ・ジャパン代表取締役。米モルガン銀行在籍時、
世界トップクラスのディーラーとして名をはせ、1995年に当時外銀では日本人唯一となる東京支店長に抜擢された。
2000年に退社。ジョージ・ソロス氏のアドバイザーを務めた経験もある。


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