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徳島市と和歌山市を結ぶ南海フェリーが、厳しい経営状況に置かれている。高速道路の
大幅割引で奪われた客足が戻らない上、原油価格の高騰で燃料費がかさみ、3期連続の
赤字決算は確実。同社は「今年が正念場」としており、業績回復の見通しが立たなければ
、徳島と近畿を結ぶ唯一の航路が失われる可能性がある。
2009年3月に始まった高速道路の「休日千円」の割引に対抗し、同社は同7月から
10年3月まで国や県などの補助を受け、乗用車の運賃を片道1000円にした。乗客数
は19万4888人と前年度より12・2%増えたが、採算は厳しく、09年度は7500
万円の赤字に転落した。
運賃を元に戻した10年度の乗客数は前年度比26・1%減の14万3927人となり
、赤字は2億5千万円に膨らんだ。このため11年度から従業員の賃金を約15%カット
するなど人件費を削減。燃料費を抑えるため船の速度を落とした。11年6月、高速道路
の大幅割引は終わったが、客足は戻らず、同年度の最終決算では約1億5千万円の赤字が
見込まれる。
本年度は親会社の南海電鉄の支援を受け、難波駅などに格安で行ける企画乗船券「
すきっぷ2000」を、昨年度に引き続き販売。賃金カットを15%上乗せし、外部に
発注していた清掃を自社で行うなど経費削減にも努める。
しかし、不安はほかにもある。燃料費は現在、2年前の2倍近くに上昇。使用している
2隻のフェリーは就航から15年が経過し、維持費がかさむ恐れがある。
フェリーは災害時に陸路の代替機能を果たし、環境にも優しい輸送機関として重要視
する声がある。県交通戦略課は「高速道路と同じ料金なら利用者は多い。国で何らかの
支援をお願いしたい」と存続を求めている。
芦辺直人社長は「民間企業である以上、赤字の航路はいつまでも維持できない。今年を
勝負の年と位置づけて再建に取り組んでいる」とコメントしている。
【写真説明】徳島港を出航する南海フェリー。経営は厳しい状況に置かれている=徳島市
ソース:徳島新聞社
URLリンク(www.topics.or.jp)
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