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大型公募増資を巡る空売りで不当な利益を上げる「増資インサイダー」疑惑で、
増資の幹事会社だった野村証券が情報漏えいした疑いが強まったとして、
証券取引等監視委員会は金融商品取引法違反(信用失墜行為など)の疑いで
行政処分を科すよう金融庁に勧告する方針を固めた模様だ。
現行法上はインサイダー情報の提供元は処分対象ではないが、
監視委は相次ぐ増資インサイダー事案で野村側が業務の一環として内部情報を提供したと判断。
法令順守の意識が著しく乏しく、信用失墜行為などに当たると認定するとみられる。
背景には、業界トップの証券会社による不正への関与を厳しく問わなければ、
日本の金融市場の信用が失墜しかねないとの危機感があるとみられる。
勧告を受ければ、金融庁は業務改善命令などの処分を検討する。
野村証券が情報を漏えいしたとみられるのは、
10年6月公表のみずほフィナンシャルグループ(FG)や同7月公表の国際石油開発帝石などの公募増資。
いずれも株式発行業務の主幹事だった。
このうち国際帝石を巡っては今年3月、
旧中央三井アセット信託銀行(現三井住友信託銀行)の投資業務担当者がインサイダー取引をしたとして、
監視委が旧中央三井に課徴金を科すよう金融庁に勧告。
旧中央三井側は監視委の調べにインサイダー取引を認め、情報入手先を野村証券と説明しているという。
また、監視委はみずほFGの公募増資でも旧中央三井がインサイダー取引をしたとして
近く課徴金処分を勧告する方針で、これに関しても野村側が情報提供していたという。
監視委は今年4月から野村証券への特別検査を実施。
野村側は国際帝石の情報漏えいを「担当者の個人的ミス」などと釈明しているとされる。
しかし監視委は、漏えいは組織的な側面があり企業としての法令順守意識が低く、
金商法上の信用失墜行為などに当たるとみている。
特別検査の終了後に処分勧告するとみられるが、
野村側に「意見申し出」の機会を設けるとみられ、野村側が異議を唱えれば処分時期が先延ばしになる可能性もある。
大型公募増資を巡っては10年以降、増資発表直前に大規模な空売りを発注し、
公表後の暴落時点で買い戻して利益を上げる疑惑が相次いで浮上。
海外から「日本市場はインサイダー天国」などと批判が強まっていた。
URLリンク(mainichi.jp)
公募増資を巡るインサイダーの構図
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