12/05/26 15:03:11.75
■特許ウォーズ 中国からの挑戦状
今年3月、日本と中国の間の「逆転劇」が世界の注目を集めた。
世界知的所有権機関(WIPO)が2011年の国際特許登録の出願件数を
発表し、企業別で前年首位のパナソニックを抜いて、中国の通信機器大手、
中興通訊(ZTE、中国語読み・ゾンシントンシン)が1位に躍り出たのだ。
中国で特許法が成立したのは、1984年。明治18(1885)年に同法が
施行された日本とはおよそ1世紀の開きががある。それにもかかわらず、
2011年に中国の特許庁が受理した特許出願件数は10年比34%増の
約52万6千件と日本(約34万2千件)、米国(約50万3千件)を
抜き去った。中国は今、有名ブランドなどの模倣品があふれる“パクリ天国”から
“特許大国”へと変貌を遂げつつある。
「特許紛争で日本に負ける気がしない」。中国ZTEの幹部はこう挑発する。
同社は独自技術を早く市場に広めるため、特許取得とほぼ同時に、その特許を
活用した製品を完成する戦略を敷く。これに対し、日本では特許取得から製品化
までに10年以上も要する企業が目立つ。特許庁国際課の担当者は「海外企業の
ように特許にかかわる社員が幹部に出世するケースが日本企業では少なく、特許
戦略強化の足かせになっている」と指摘する。
特許の活用には複数の手法がある。自社の特許を使った製品を流通させ、他社に
同様の製品を作らせることを防いだり、一方で特許を他社に販売することで
収益をあげることも可能になる。しかし、特許を持つだけでは、何の利益も
価値も得ることはできない。
「日本には特許を数多く取得すればいいと勘違いしている人が多い。特許を
活用しないと世界で生き残れないのに不思議だ」。ZTE日本法人の大和敏彦
副社長(57)はあきれた表情で話す。
特許活用に“不慣れ”な日本の姿が浮き彫りになったデータがここにある。
特許庁が昨年12月にまとめた、2010年の知財関連の年間訴訟件数が中国は
5785件に対し、日本は146件。特許に関して日本はもめず、紳士的な国
ともいえるが、言い換えれば十分に活用しきれていない表れでもある。逆に
中国の訴訟攻撃の標的にされる例も多く、一方で中国の模倣品に悩まされている
日本企業も少なくない。(※続く)
●日米中の知財関連訴訟件数
URLリンク(www.sankeibiz.jp)
◎URLリンク(www.sankeibiz.jp)