12/05/25 11:14:04.39
※以下はソース記事の抜粋です。
「高齢者が次々に入院し、まるで姥捨て山のように置いていかれる」―。
看護師らがため息をつく。これは地方や過疎地で、医療機関や介護施設などが
少ない地域に住む“医療難民”や“介護難民”の話ではない。病院などがひしめく
東京で起こっている現実なのだ。
■もう、心身ともに燃え尽きた―。寝不足で医療ミス寸前の看護師たち
こうした混沌の医療現場で、急増する高齢患者を相手に過酷な労働を強いられている
医師たちの疲弊ぶりが社会的問題化し、国民的な議論となっているのは、ご存知の
通りだ。最近では、医師不足による医療崩壊も社会問題化しており、地方や過疎地に
医師が集まらずに診療所や病院が閉院するなど、その影響は住民の目にはっきりと
見える形で表れている。
その一方で、医師と共に働く看護師たちの労働実態については、これまであまり
報道されてこなかった感がある。実は、看護師たちもまた、医師たちの陰に隠れる
ようにして、負けず劣らずひどい激務に喘いでいるのだ。まさに「二重の医療崩壊」
が始まっている。
そもそも全国の就労看護職(保健師、助産師、看護師、准看護師)は、2010年で
約147万人。実は、働く女性の20人に1人、全国民の100人に1人が看護職という
身近な存在だ。看護職数は毎年、わずかながらも増加しているが、過酷な職場に
「もう限界だ」と音を上げ、毎年12万人以上が辞めている。
そのため、免許を持ちながら看護職として働いていない「潜在看護職」が約60万人
にも上っており、高齢化や医療技術の高度化に伴う業務の増加に追いつかない。
実際、看護師が働く現場はどのような状況なのか。関係者の日常を追ってみよう。
都内にある某病院の内科系病棟で働く看護師の木下葉子さん(仮名、36歳)は、
「夜勤と残業が多く、心身ともに燃え尽きた」と、退職を考えている。24時間365日、
患者の命を守る病院では、交代制勤務がとられており、葉子さんの病院では3交代で
夜勤が組まれている。
日勤は朝8時30分から夕方17時30分、準夜勤は夕方16時30分から翌日深夜1時30分、
そして深夜勤は深夜0時30分から朝8時30分までとなり、その組み合わせで月のシフト
がつくられる。日勤の翌日に深夜勤が組まれる「日勤―深夜」や、準夜勤の直後に
日勤が組まれる「準夜―日勤」というシフトは、看護師にとって辛い。
葉子さんもそうしたシフトが月に何度も組まれる。日勤では受け持つ患者の状態や検査、
処置の準備について「情報収集」するために始業前から無賃出勤し、朝から患者の検温、
状態観察、入退院の手続きなどに追われ、昼食は15分程度で弁当やおにぎりをかき込む
のが常。トイレに行く暇も水を飲む余裕もなく、あっという間に時間は過ぎ、19~20時
まで残業が続く。それから一旦帰宅し、家に着いて2時間も経たないうちに、深夜勤の
ためにまた出勤する。
ほとんど寝ずの状態で夜勤に入り、たった2人で40人の患者を担当する。患者は夜だから
といって眠ってばかりはいない。ナースコールは鳴りやまず、認知症の患者が暴れ回る、
徘徊してしまうなど危険も多い。(※続く)
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