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今夏、関西圏の深刻な電力不足が懸念される中、政府が関西電力大飯原発
3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を判断した場合でも、需給が最も
逼迫(ひっぱく)する7月後半までに2基のフル出力が間に合わない公算が
大きくなってきた。関西の首長の「理解」が進まず、西川知事の判断が
6月にずれ込む可能性が高い上に、再稼働の作業を始めてからフル出力までに
約6週間かかるからだ。
定期検査中の原発は通常、起動準備状態から発電まで約10日かかる。しかし、
大飯3号機は昨年3月、同4号機は7月から定検に入り、長期間停止している
ため、2次系の配管は水を抜いた状態。再稼働には不純物を洗浄した後、補助
ボイラーの蒸気を使って水質を調整しなければならず、フル出力まで約3週間
を要する。
しかも、補助ボイラーでは1基分の蒸気しか作ることができない。1基を稼働
させた後、もう1基の作業に入るため、2基をフル出力にし、計236万キロ
ワットの供給力を確保するまでには約6週間かかる。
関電の需給見通しでは、2010年夏並みの猛暑を想定し、節電などを織り込んだ
場合、7月後半から8月に需要が最大で2987万キロワットになる。一方、
供給力は7月後半が最も厳しく2517万キロワット。8月に入ると他社からの
応援融通が40万キロワット増え、やや改善する。需給ギャップは7月前半が
マイナス225万キロワット、7月後半が同470万キロワット、8月が
同445万キロワット。
7月後半までに大飯3、4号機をフル稼働させるには、5月中に政府が再稼働を
最終判断する必要があるが、日程的に難しくなっている。関電が10年比で15%
以上の節電を要請する期間の開始日7月2日については、フル稼働が間に合わない
のは確実だ。
大飯3、4号機をめぐっては、枝野幸男経済産業相が4月14日、福井県とおおい町
に再稼働への協力を要請。町会は5月14日に同意したが、5月中に判断するとして
いた時岡忍町長は22日、安全性を検証している県原子力安全専門委員会の審議が
終わっていないことなどを理由に、月内の判断は厳しいとの認識を示した。
西川知事は、県専門委が安全確認することを前提に、町と県会の意向を踏まえると
している。県専門委の次回会合は28日以降になる見通しで、関西圏の「理解」が
進んでいないこともあり、知事の判断は6月にずれ込むとみられる。
ただ、知事は長期的な観点から「原子力は重要な基幹電源」と指摘し、短期的な
需給論で再稼働の是非が議論されがちな現状には不満を表明している。関西圏の
首長が慎重姿勢を崩していないことに県内の関係者からは「電力消費地が電気を
いらないと言うんだから、判断を慌てる必要はない」との声も出ている。
●需給が最も逼迫する時期にフル稼働できない公算が大きくなっている
大飯原発3、4号機(手前の2基)
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