12/05/03 18:09:29.08
>>1より
■ユーザーのプレー状況を分析するのが一般的に
一方、2005年ごろから「ユーザーの体験をコントロールしよう」という考え方が台頭してきた。
ゲームの発売前に、商品を「おもしろい」と感じてくれるかどうかを完全に予測してバランス調整を行う、
「プレイテスト」というやり方だ。高評価を得られるゲームを確実に作ることができれば、ヒットを外すことはない。
05年発売の「Half・Life2」(米Valve)は、この手法を徹底的に駆使した。
1~2週間に一度、ゲームの内容を知らないユーザーに遊ばせる。
すべての行動を録画して、どこで迷い、どこで(ゲーム内の主人公が)死んだのかを調べあげる。
それをゲーム開発のプロセスに迅速にフィードバックして、質の高いゲームに仕上げた。
今では低コストでこうした手法を利用できる。
わずか2人で開発して大ヒットに結びつけたiPhone向けのパズルゲーム「Cut the Rope」(ZeptoLab)は、
米Flurry社のユーザー分析サービスを使っている。
ゲームアプリを通じてユーザーのプレー状況をサーバーに送り、分析するものだ。
ゲームのどの部分でユーザーが足踏みしてしまうのか、
また、遊ぶことを止めてしまうのかなど、データを見ながら製品を改良していくことができる。
これでも、基本的なセーブデータはユーザーの手元に残されている。
■ゲーム会社が「中央銀行」の役割を持つように
ところが、パソコンや携帯電話からサーバー上にあるゲームソフトを読み込む形式の「クラウドゲーミング」になると状況は大きく違ってくる。
すべての遊技データはゲーム会社のサーバー上にあり、ユーザーが持つことはできない。
ゲーム会社は獲得したセーブデータを管理し、様々な形で有効利用しようと考える。
03年にサービスが始まった宇宙をテーマにした大規模オンラインロールプレイングゲーム「EVEOnline」(CCP)は、
ゲーム内の統計データを「通貨供給量」などの経済指標として定期的に発表することで有名だ。
もちろんゲームサービスが順調に成長しているのかを分析する基礎にもなっている。
07年ごろブームとなった仮想空間サービス「セカンドライフ」(リンデンラボ)の場合は、
積極的にゲーム内通貨を現実のお金に交換できる仕組みを採用し、統計データも発表していた。
ただ、仮想通貨を現実の通貨に変える目的のユーザーが多く入り込んだため、通貨供給量をコントロールできなくなった。
運営会社が公正かつ適切な「中央銀行」としての役割を果たせているのか、という点への信頼性が失われ、ブームが去る要因にもなった。
これは「ゲームを楽しむ」という本来の目的以外に、仮想通貨を現金化する「リアル・マネー・トレード(RMT)」の仕組みが入り込むと、
ゲームバランスが容易に崩壊してしまう実例としても知られている。
中略
続きます