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「ここもSFC出身者が多くないですか」―。ソーシャルメディアにかかわっていると、時々そんな声を耳にする。
SFCとは慶応義塾大学の湘南藤沢キャンパスのことで、総合政策学部や環境情報学部などがある。
1990年に開設され、いち早く授業にインターネットを導入したことやAO入試(アドミッションズ・オフィス入試)など大学改革の成功事例として
取り上げられることも多い。
インターネット時代の台頭とともに、その存在や出身者が注目されてきたが、ソーシャルメディアの時代でもいまだに多くの出身者が活躍している。
個人のパワーを生かすSFCの人材育成手法に、企業が学ぶべき点は少なくないはずだ。
■「先頭を走るからこそ前例がない」校風
グリーの取締役で国際事業を手がける青柳直樹氏、
復興支援サイト「PRAY FOR JAPAN」や学生向けアプリ「すごい時間割」を開発している鶴田浩之氏、
社会起業家で病児保育・病後児保育のNPO(特定非営利法人)、
フローレンスを運営する駒崎弘樹氏などがSFC出身者である。
このほか、独自の教育プログラムを実践するNPOのカタリバの今村久美氏や、
新しい若者論「絶望の国の幸福な若者たち」で注目を集めた社会学者の古市憲寿氏、
ソーシャルメディアのデータ分析サービス「Social Insight」(ソーシャル・インサイト)の開発にかかわった閑歳孝子氏もSFC出身だ。
実際に何人がソーシャルメディアに携わっているかといった具体的なデータは見つけられなかったが、
SFC出身者個人が持つソーシャルメディアへの発信力が高いため、「SFC出身者」という点が目立つのかもしれない。
「フェイスブック」を利用し、なぜソーシャルメディアでSFC出身者が注目されるのかを問いかけてみた。
すると、「ルールは守るものではなく作るものだし、先例がないのは当たり前で、
なぜなら自分達が先頭を走っているから、という考えが校風にあるから」という声があった。
また、「授業中に単なる話し合いではなく、ディスカッションをする機会が多く、
人に意見を言うことに慣れているといった授業内容がソーシャルメディアの中でも目立つのでは」という意見もあった。
一方で、「組織化された企業の中では異端児扱いされるのではないか」という声もあった。
SFC出身者の評価について、
キャンパス開設20年を検証した書籍「異端の系譜-慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス 」(中公新書ラクレ)で著者の中西茂氏は、
「ジェットコースターのように変わる評価」として、コンピューター利用や外国語教育の先進性の評価から、
学生が使いにくい、すぐ辞めるという企業社会での不評があったと紹介している。
■入学生の4分の1は「尖った人材」
青森県三沢市で2月に行われ、政財界など著名人が集まった「G1サミット2012」で、
総合政策学部長の国領二郎教授と茂木健一郎氏の対談があった。
そこで入試制度改革がテーマになった際に「SFC卒業生はすぐ辞めるというのは神話」としつつ、
尖った学生をいかに採用するのが重要かについて述べていた。
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URLリンク(www.nikkei.com)