12/04/19 01:59:30.13 Ji//FnWf
>>304 >>313
バランスシート不況は何故生まれたか?
資産に比べて負債が大きすぎる。過剰債務となってなっている。
消費を抑えて、投資を抑えて、余ったキャッシュ・フローで借金返済を行う。
1人、2人がやるんであれば、問題ではないが、全員が同時にやったらどういうことになるか。
早くバランスシートをきれいにしたいという行動は、大変良いものであるが、全員が同時にやると、
国中の消費は落ちて、投資は落ちて、景気はどんどん悪くなる。結局、実際そうなった。
80年代後半、バブル時、企業も個人も金を借りて、いろんなものに投資してしまった。バブル崩壊後、
資産価格が暴落し、10年間資産価格が下がり続けた。まだ、借金が残っているのにも関わらず、資産価格が
下がり続けていく。つまり、債務超過におかれている。みんな自分に言い聞かせてきた。
「まあ、大丈夫だろう。2,3年経ったらまた土地の値段ももとに戻るはずだ。」みんなが、こう思っているうちは、
本当の不況にはならない。しかし、1年経って、2年経って、3年経っても、事態は悪化していくばかりで、
「もう、土地の値段はもどらないんじゃないか」とみんなが思い出すと、みんな債務超過にあるわけであるから、
あせりだし、みんな同じ行動を取り始めてしまう。
個人の場合は、買った家の値段がずいぶん下がって、住宅ローンの残高よりも自分の家の価格が下がっても、
悲しいことだけれども、自分に所得があれば、その家に住み続けていけば良いわけで、個人の場合はまだなんとか
なる。しかし、企業の場合は、そうもいかない。資産価格がうんと下がって、負債がたくさん残っていれば、
それは債務超過であり、倒産状態である。「あんたとこの会社ちょっとおかしいんじゃないの」と外の人に言われる
前にバランスシートをきれいにしておきたい、或いは、めどをつけておきたい、と考えるのは当然である。
一刻の猶予も許されない。つまり、いつ外からバランスシートのことを指摘されるかもしれないという恐怖のなかで、
バランスシートの健全化を目指さなくてはならない。こういうことになると、当然、企業は消費を抑え、投資を抑え、
あらゆるコストを削減して、そこで余ったキャッシュ・フローで債務返済に走るということになる。これを日本中の企業が
同時にやると景気がおかしくなる。そして、このバランスシート不況は1992年か1993年頃から始まった。