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太陽光発電デベロッパーの米ソーラー・トラスト・オブ・アメリカは2日、
急な資金不足に陥り、カリフォルニア州でのプロジェクトを完成する前に、
デラウェア州ウィルミントンの破産裁判所に破産法11条による保護を求めた。
同プロジェクトは世界最大規模の発電所を建設中だった。
親会社である独ソーラー・ミレニアムも破綻しており、ソーラー・トラスト
への資金供給が続けられなかった。この資金供給は、カリフォルニア州での
出力1000メガワット(MW)のブライス太陽光発電プロジェクトが完了する
前に途絶した。1000MWの電力は30万戸の住宅の電力需要を満たせる。
ソーラー・トラストの幹部は、同州南部の7025エーカー(2810ヘクタール)の
土地に太陽光発電装置を建設するこのプロジェクトで、同社が「高い価値がある」
と評価する送電権を確保していた。しかし、プロジェクトは完了しておらず、
収入も生み出していない。
ソーラー・トラストは1日に、この土地の借地代として米内務省に100万ドルを
支払う予定だった。同社は、11条の適用申請によって電力会社との間で結んだ
送電権協定は保護されるとしている。同社のエドワード・クラインシュミット
最高執行責任者(COO)は裁判所に提出した文書で、「この取り決めがなければ、
ブライス・プロジェクトは電力を市場に供給することができず、全てではない
ものの、プロジェクトは無価値に近くなる」と述べている。
この権利によって同社は電力会社サザン・カリフォルニア・エジソンから
2億ドル以上の資金を借り入れることができた。サザン・カリフォルニア
・エジソンは、ブライス・プロジェクトの近くでの別のプロジェクト(面積
4300エーカー)についても1億ドルを融資する計画だ。3番目のネバダ州での
プロジェクトは送電権協定を結ぶまでには進展していない。
ソーラー・トラストは同社資産を入札で売却する準備をしており、近くで別の
大型太陽光発電所建設をしているライバルのネクステラ・エナジー・リソーシズ
LLCが関心を示している。
ソーラー・トラストは昨年、ドイツの太陽光発電設備会社ソーラーハイブリッド
に身売りしようとしたが、実現しなかった。ソーラーハイブリッドは、実現しな
かったのは欧州での代替エネルギー向け補助金の縮小傾向によるものだとしている。
ソーラー・ミレニアムは昨年12月、米国と同様の破産法の保護をドイツで申請して
いる。欧州各国の政府は経済危機の中で、代替エネルギー計画を縮小させている。
欧州では一時、高価な太陽光発電装置はこうした計画の下で一般家庭や企業にとって
入手しやすくなっていた。
ソーラー・トラストは2005年に設立され、ソーラー・ミレニアムが70%、独フェロ
シュタールが30%出資しているが、フェロシュタールは2年前からソーラー・トラ
ストへの資金援助をしていない。
ソーラー・トラストは約2000万ドルの無保証債務がある。借り入れはシティバンク
からの20万ドルだけ。
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