12/03/31 18:33:53.20
AIJの騒ぎが続いている為か、厚生年金基金の代行部分を含んだ「公的年金の積立金」は
本当に大丈夫なのか、一体今いくらあるのか、と思い始めた国民が多いようだ。
そのせいか、先日(3/15)、毎日新聞朝刊「これが言いたい」欄に書いた拙稿「将来の
破たんから目を背けた議論は談合だ 年金「積立制」の検討を急げ」が思いのほか、反響
を呼んでいるようである。
URLリンク(bit.ly)
特に、「5年前の06年度に厚生年金と国民年金を合わせて約150兆円存在した積立金
は、11年度末には110兆円近くまで取り崩される。この40兆円もの取り崩しは全く
「想定外」のものである。このままのペースで進めば、28年度には積立金が枯渇する。
仮に景気が潜在成長率に急回復しても、筆者の試算では30年代には枯渇が避けられない
。」という記述に、今さらながら驚いた方も多いらしく、「本当なのか?」とマスコミ等
からの問い合わせがひっきりなしである。
しかし、私が約150兆円から110兆円近くまで取り崩されていると言っているのは、私が
勝手に作ったいい加減な数字ではなく、厚労省自身が公表している数字なのである。下記
に詳しく計算方法は述べているが、とりあえず、公表資料は以下のものである。これに、
GPIFの運用損等を調整すると、ほぼ5年で40兆円を取り崩していることがわかる。厚生年金
基金の代行部分は含んでいない。
○第1回社会保障審議会年金部会資料「資料2 基礎年金国庫負担について」(p14「
年金積立金及び取り崩し額の推移」)
URLリンク(www.mhlw.go.jp)
マスコミからの問い合わせの中には、厚労省のシンパも多く(厚労記者クラブ所属の"
取り込まれた"記者達が多い)「100年安心プラン」の厚労省予測をまだ信じ、「公的年金
の積立金はいまだに150兆円あるはずだ」とか、「積立金の取り崩しなど起きていない」
という人がいる。また、「どこをみれば積立金の正確な額が分かるのか?」、「厚労省
発表の資料は、白書と審議会の資料で数字が違うがなぜか?」といった質問も多い。
確かに、厚労省は最新の積立金残高を発表しているのだが、非常に分かりにくく、見つかり
にくい場所で公表している。また、その数字も、今騒ぎになっている厚生年金基金の代行
部分を含むものであったり、それを除く年金特別会計の数字であったり、GPIFの運用残高
であったり、定義がまちまちなので分かりにくいことおびただしい。国民に真実が知らさ
れないように、わざと分かりにくく、複数定義のものを公表しているとしか思えない状況
である。
ソース
URLリンク(blogos.com)
(つづく)