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世界的に資源の獲得競争が激しくなるなか、日本周辺の海底に見込まれる海洋資源の埋蔵量を本格的に調べるための、
最新の調査船が完成し、21日、報道陣に公開されました。
公開されたのは、独立行政法人のJOGMEC=石油天然ガス・金属鉱物資源機構が所有する、総トン数6200トンの調査船「白嶺」です。
この調査船は、自動車や携帯電話に使われるレアメタルなど、
日本周辺の海底に見込まれる海洋資源の埋蔵量の本格的な調査に向けて建造されました。
船には最新の設備が搭載され、このうち中央部に設置された大型の掘削装置は、
海底から深さ400メートルまで掘削できる能力があり、従来の調査船に比べて資源の埋蔵量をより正確に調査できます。
また、調査船には海流や風が強い環境でも船体を一定の位置に留めておく機能が備えられ、
長時間にわたる調査も安定的に行うことができます。
この調査船は、鉱物資源のほかにも、次世代のエネルギー資源、メタンハイドレートの調査にも使われるということです。
JOGMECの上田衛門理事は「日本固有の資源を確保する必要性が高まっている。
将来的な商業生産に向けて、海洋資源の埋蔵量などの調査を本格的に進めたい」と述べました。
調査船「白嶺」は、来月から沖縄の近海で調査を始めるということです。
■調査船建造の背景
海洋資源調査船「白嶺」が建造された背景には、新興国の経済成長に伴って激しくなるレアメタルなどの資源の世界的な獲得競争があります。
こうしたなか、日本も資源を独自で確保すべきだという声が高まっているのです。
日本では陸上には、こうした資源がほとんど確認されていませんが、
政府などの調査では、沖縄と伊豆や小笠原諸島の周辺の海底にレアメタル、
銅、亜鉛などが熱水に溶け込んで結晶した「海底熱水鉱床」が分布していることが分かっています。
これらの資源を活用するには埋蔵量を正確に把握することが欠かせませんが、
従来の調査船は性能が低く、詳しい調査ができませんでした。
開発された「白嶺」の最大の特徴は中央部に設置されている大型の掘削装置です。
海上からドリルを降ろして、海底から400メートルの深さまで掘削することができます。
従来の調査船では海底から20メートルの深さまでが限界でしたが、
20倍の深さまで調査ができるようになり、資源がどの深さにどの程度あるのかが、より正確に調べられます。
しかし、仮に海底に有望な資源が見つかっても商業的に利用するために大量に採掘する技術はまだ確立されておらず、
また、海の環境汚染を防ぐための影響調査も必要になるなど、資源の活用に向けては課題も残されています。
URLリンク(www3.nhk.or.jp)