12/03/18 23:05:19.69
昨2011年世界規模で起きた、ある重大ニュースの発信源は米ニューヨークだった。
「ウォール街を占拠せよ」。格差社会に疑問を持つ若者たちによって9月に自然発生
したデモが、フェイスブックやツイッターといった新しいメディアを通じ、わずか
1カ月間で東京を含む1400以上の都市に波及したのだ。
■非正規20代の2割、月10万円みたぬ収入
デモは、先導者がおらず統一した要求もないという異例づくしだったが、だれかが必ず
こんなプラカードを掲げていた。「We are the 99%」(私たちが99%だ)。
1%の富裕層が招いた金融危機を99%の貧困層が尻拭いしているという批判を込めた言葉だ。
これが、日本の若者たちの間でも共感を呼び続けているという。
貧困問題に詳しい作家の雨宮処凛(36)は「デモの広がりは、非正規労働者と正社員が
対立するという構図が、嘘であることを気づかせてくれた」と説明し、過労死問題について
重要な指摘をしている。「非正規労働者の貧困と正社員の過労死は、表裏一体の社会問題
なのだ」と。
派遣社員やパート、アルバイトといった非正規労働者の待遇が悪くなれば、正社員は
明日はわが身と感じて会社にしがみつく。正社員は過労死のリスクを抱え、非正規
労働者は仕事を奪われてますます貧困に陥る-。そんな悪循環が、日本の労働現場に
起きつつあるというのだ。
■30代3割が精神発症で労災申請…20代も2割
兆候は、若い世代にほど顕著に表れている。一昨年の厚生労働省調査によると、
20代前半の働く男性のうち、非正規労働者の割合は46%。うち44%が
月収10万円にも満たない。
大阪過労死問題連絡会会長で関西大教授の森岡孝二(67)は言う。
「ワーキングプアと過労死は、特に“ブラック企業”の中で併存している」
ブラック企業-。低賃金での長時間労働やサービス残業を強いたり、暴言などの
パワーハラスメントが当たり前だったりする会社を意味する言葉だ。
この呼び方は、ネット掲示板への書き込みを書籍化した黒井勇人の「ブラック会社に
勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」(新潮社)で知られるようになった。
出版された平成20(2008)年は、ちょうどリーマン・ショックと「年越し
派遣村」で、非正規労働者の貧困問題が注目された年だ。
年越し派遣村の出現を境に、若者に迫る過労死の危機が表面化したと考えるのが、
NPO法人「POSSE(ポッセ)」事務局長、川村遼平(25)だ。川村は、
POSSEが受ける年間約350件の労働相談に、ある変化を感じている。
派遣切りに続いて、入社1~2年目の正社員が不当に解雇されはじめ、それが
なおも続いているというのだ。
「相談者の大半が、自分でも気づかないうちに過労死寸前まで働き、心を病んだ末に
退職を強要されている」。川村はそう明かす。※続く
●貧困問題に詳しい作家の雨宮処凛さん。右は「ゆとり教育」推進の元文部省官僚の
寺脇研さん、左は北海道大学准教授の中島岳志さん=2011年、シンポジウム
「『橋下』主義(ハシズム)を斬る」
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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