【コラム】あまりに政治的な製造業向けメッセージ 「一票の格差」はサービス産業対製造業の格差(野口悠紀雄) [12/03/12]at BIZPLUS
【コラム】あまりに政治的な製造業向けメッセージ 「一票の格差」はサービス産業対製造業の格差(野口悠紀雄) [12/03/12] - 暇つぶし2ch1:@@@ハリケーン@@@φ ★
12/03/18 19:41:31.05
 「日本で1個1000円するハロゲンランプが、中国では8円だ」と前回述べた。中国
の賃金が低いのだから、当然のことだ。

 ただし、中国生産の強さは、価格の安さだけではない。1月21日付のニューヨーク
タイムズは、アップルの中国における生産方式について、詳細に伝えている。その中に、
次のようなエピソードがある。

 2007年、最初のiPhone販売開始予定の1カ月前のこと。iPhoneの画面
にすり傷がつくのを見て、スティーブ・ジョブズが癇癪を爆発させた。彼は腹立たしげに
iPhoneを取り出し、プラスチック製スクリーンについた細かいすり傷を全員が見える
ように掲げた。そしてジーンズから鍵を取り出して言った。

 「ユーザーは、iPhoneも鍵もポケットに入れて持ち歩く。すり傷がつくような
製品を売るつもりはない。6週間以内にガラス製スクリーンに変更せよ」と。

 アップルはiPhoneのスクリーン仕様を変更し、中国にあるフォックスコンの工場
に対して生産ラインの全面見直しを要求した。ガラススクリーンが工場に到着し始めたのは
、真夜中だった。工場の現場監督は、寮に住む8000人の作業員を叩き起こした。

 彼女たちはビスケットとお茶を与えられ、仕事場に連れて行かれた。それから30分で
、ガラス製スクリーンをフレームにはめる作業が、12時間シフト体制で開始された。
96時間後には、工場は1日1万台のiPhoneを生産していた。それから1カ月後、
アップルは100万台のiPhoneを販売した。それ以来、フォックスコンは、2億台
のiPhoneを生産した。

 「その速度と柔軟性は息を飲むほどだった。同じことをできる工場は、アメリカにはない」

 「彼らは一晩で3000人を雇い、寮に住むことを納得させる。そんな工場がアメリカ
にあるだろうか」

 「iPhone組み立て作業の監督に必要な8700人の工業エンジニアを見つけるのに
、アメリカなら9カ月かかる。しかし、中国だとわずか15日だ」

 「いまや、サプライチェーン全体が中国にある。ゴム製ガスケットが1000個必要?
 それなら隣の工場だ。100万個のねじが必要? それなら1ブロック先の工場だ。
そのねじに変更を加えたい? 3時間あれば十分だ」

 こうしてアップルは巨額の利益をあげた。もちろん問題は、それによって雇用がアメリカ
から失われることである。新しい産業が成長しても、年配の失業者は、職を得られない
からだ。

<中略>

■「一票の格差」はサービス産業対製造業の格差

 日本でも同じ事情がある。図は、製造業の比率が20%以上の県を赤で示した。中部
地方がそれに該当するのは予想通りだが、北陸地方や東北地方の一部もそうであることは
、やや意外だ。

ソース:東洋経済オンライン
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(つづく)


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