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日本は円ウォン相場の呪いを解けるか?
円の強さ、中でも韓国ウォンに対する円高は近年、日本の電機メーカーを赤字まみれにする一因となってきた。
今や流血の惨事となった。
日本のDRAMメーカーであるエルピーダメモリは2月27日、日本の製造業では戦後最大となる破綻(会社更生法の適用)を申請した。
同社破綻による主な受益者は、韓国のサムスン電子だ。
為替レートが有利なだけでサムスンがエルピーダを倒したと批判する人はいないだろう。
巨大エレクトロニクス企業であるサムスンは、多くの日本の競合企業よりも鋭敏で大胆だ。
苦境が厳しさを増すほど高くなってきた円相場
しかし、2008年半ばに世界金融危機が始まってから、
円ウォンの為替レートは見事なまでに韓国の輸出企業にとって有利に働いた(図参照)。
2008年半ば以降、ウォンは円に対してざっと50%安くなり、韓国企業が価格面で日本企業の足をすくうのを後押しし、
韓国経済を成長局面に戻す動力を供給した。
しかし円は、まるで呪いのような動きを見せてきた。
日本経済の苦境が厳しさを増すにつれ、円は強くなっていったのだ。
円の対ウォン相場が昨年10月初旬につけた最近の高値から10%下がったことに、
日本の輸出企業が安堵の溜め息をもらしているのは、このためだ。
この下落率は、対ドルや対ユーロの下落率よりも大きい。
主な要因は、世界的なリスク志向の変化かもしれない。
ウォンの上昇は往々にして、アニマルスピリッツの指標になるからだ。
しかし為替の専門家は、日本が1月に過去最大の貿易赤字を計上したことに加え、
日銀が最近、新たに設定した1%のインフレ目標(めど)に近づくまで国債を購入すると約束したことによって、
円安の機運が高まったようだと話している。
証券会社CLSAのニコラス・スミス氏は、余分な流動性の大半は日本の資産市場に行き着くと考えている。
実際、日経平均株価は2月29日に7カ月ぶりの取引途中の高値をつけた。
日銀が円ウォン相場よりも、円ドルや円ユーロの方に関心があることは間違いない。
金融取引という点では、対ドル、対ユーロの為替相場の方がはるかに重要だ。
だが、産業の観点から見ると(輸出企業は日本で強力なロビー団体を構成している)、対ウォン相場も全く同じくらい重要だ。
ソニーとサムスン、あるいはホンダと現代自動車の競争を例に取ってみるといい。
日本の立場からすると、韓国企業は米国企業よりもずっと熾烈な世界的ライバルなのだ。
将来については、介入好きな韓国銀行(中央銀行)が、ウォン安誘導を控えることができるのか疑う向きもある。
最近の円安傾向は続く
しかし、HSBCのダニエル・ホイ氏は、ウォンが円に対して上昇し続ける可能性があると見ている。
ホイ氏はその理由として、韓国が外貨準備高の水準に満足しているように思われること、
そして、輸出企業が自社の回復力に自信を持ち、もうウォン安に頼らずに済むことを挙げている。
もう1つの要因は、ウォンに対する行き過ぎた円安を招く可能性がある。
韓国の輸出企業は日本の輸出企業よりも積極果敢にアジアの新興国などの新市場を開拓してきた。
日本企業がこうした市場で韓国勢に追いつくには、
韓国銀行の対抗措置への圧力を和らげて、極端な円安に誘導することが必要なのだ。
ソース:JBPRESS
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