12/03/05 15:34:17.48
厚生労働省は5日、医師26人と歯科医師12人の行政処分を発表した。三重県四日市市の
産婦人科医院で医療ミスを重ねた塩井澄夫医師(71)を戒告処分とした。医療ミスを繰り返す
「リピーター医師」として行政処分されるのは初めて。処分の発効は19日。
免許取り消しは6人、1カ月~3年の業務停止は30人、戒告は2人だった。
塩井医師については、1998年から2001年までに4件の医療ミスをしたとして、
被害者側が03年以降、医師免許の取り消しを厚労省に求めていた。
厚労省は昨年9月、4件のうち、麻酔薬の誤投与で出産後の女性を死亡させた業務上過失致死罪で
罰金刑が確定した1件についてのみ、戒告処分にした。
厚労省は今回、刑事事件になっていなかった残りの3件のうち、子どもが脳性まひになった事故と
死産となった事故の2件を、4日開かれた厚労相の諮問機関の医道審議会にはかった。医道審は
「約3時間分娩(ぶんべん)の現場から離れて直接診察することを怠った」「必要な検査、治療を
行うことなく、高次医療機関への速やかな搬送を怠った」と認定。前回処分の1件も考慮し、
戒告が適当と判断した。改めて再教育を受けることになる。
残る1件については、「現段階では明らかな不正が確認できない」との理由で諮問しなかった。
医師の行政処分はもともと、刑事事件で罰金刑以上が確定したケースや診療報酬の不正請求が
対象だった。医道審は02年12月、刑事罰に問われない医療ミスでも、明らかな過失がある
場合は処分対象とする方針を打ち出した。
事実認定が厳格な刑事事件の場合には確定判決をもとに処分してきたが、刑事事件以外では
厚労省が事実認定をしなければならない。このため、刑事事件以外の医療ミスを認定した処分は、
これまでに3件だけだった。
このほか、横浜市の美容形成外科「菅谷クリニック」で、診療報酬を不正請求したとして詐欺罪で
懲役1年8カ月が確定した旧厚生省の元医療指導監査官、菅谷良男医師(61)は免許取り消し
とした。
主な処分は次の通り。
(呼称略、医療機関名と所在地は発生当時)
【免許取り消し】
東京都北区、石川誠=集団準強姦(ごうかん)未遂▽東京都文京区、藤原良太=道路交通法違反、
集団準強姦未遂▽上尾の森診療所桶川分院(埼玉県桶川市)河村直樹=準強制わいせつ
▽中西耳鼻咽喉科(和歌山県紀の川市)中西弘=同▽黒目医院(島根県斐川町)、広島市民病院
(広島市)黒目学=迷惑防止条例違反、強制わいせつ、児童買春・児童ポルノ禁止法違反
▽菅谷クリニック(横浜市)菅谷良男=詐欺
【業務停止3年】
光クリニック(茨城県神栖市)佐藤未光=覚醒剤取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反
▽至誠会第二病院(東京都世田谷区)浪花豊寿=同▽大阪大学医学部付属病院(大阪府吹田市)
秋山正夫=強制わいせつ
【業務停止2年】ヒューメンズクリニック(埼玉県川口市)新井浩之=覚醒剤取締法違反
▽つつじが丘歯科医院(兵庫県猪名川町)味村哲也=準強制わいせつ
【業務停止1年】
新潟市、池田圭介=傷害、銃刀法違反▽高松赤十字病院(高松市)松川豊=傷害、恐喝、窃盗
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