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ミャンマーでテイン・セイン大統領率いる新政権が発足して3月で1年。予想をはるかに
超える急速な政治、経済、社会の改革はミャンマーを東南アジアの最貧国から魅力的な
投資先へと押し上げつつある。世界各国からの熱い視線が集まるミャンマーの今をリポート
する。
■「調査ばかり」
「日本はこの国に来て調査ばかりしている。NATO(No Action Talk Only)
と呼ばれているのを知っていますか? 言うだけで何もしないという意味です」
ミャンマーの最大都市、ヤンゴン市内で会った地元ビジネスマンは、にが笑いした。長年、
日本とのビジネスに関わってきたが、「FS(事業化調査)ばかり」でプロジェクトが
進まない日本には、もううんざりと言わんばかりだ。
ミャンマー国内は欧米の経済制裁解除を見込み、ビジネス機会を探す人であふれかえっている。
中国や韓国、シンガポール、タイといったアジア諸国に限らず、経済制裁を行っている欧州連合
(EU)のドイツやフランス、過去の軍政に厳しい態度を見せてきた米英のビジネスマンも、
虎視眈々(たんたん)と狙う。
米国の大手清涼飲料メーカーやファストフードチェーンは「経済制裁が解除されれば、その翌日
から店の改装に入れる状態になっている」と、米飲料メーカーと合弁企業立ち上げで契約した
ミャンマー人は言う。
彼によると、契約を結んだのは昨年8月。新政権発足後、報道規制の緩和や政治犯の大量釈放が
始まっていたが、まだ民主化の進展に懸念を抱く人が多かったころだ。
さらに、最近では、米国のホテルチェーンでシェラトンやウェスティンなどを展開するスター
ウッド・ホテル&リゾートと、マリオット・インターナショナルが、そろってミャンマーでの
ホテルビジネスに乗り出す意向を表明した。
一方、ベトナム企業も、ヤンゴン市内の工業省跡地に約2億ドルを投資し、ホテルを建設する
ことを発表した。
■ベトナムがホテル
各省が首都ネピドーに移転したため、ヤンゴン市中心部には広大な遊休地が点在し、工業省跡地
の隣には外国政府高官も泊まる地元資本の高級ホテルがある。地元では、ベトナム企業が米ホテル
チェーンと組み、ホテルを建設する計画だとの見方がもっぱらだ。
日本が欧米の経済制裁に「西側の一員として」協力し、企業も手をこまねいているうちに、欧米
各国は次々と手を打っている。
ドイツの金融機関のグループは「ビジネス虎の穴」とばかり、ミャンマーの起業家を募る目的で、
良いビジネスプランには出資するとしてアイデアを公募する。
多くの若いビジネスマンに交じり、米国の経済制裁対象者リストに載ったミャンマー経済界の
実力者、エアバガン社長のテ・ザ氏(44)も2千億チャット(約200億円)のビジネスプラン
を持って応募したという。
「経済制裁をしていないはずの日本が一番、取り組みが遅い。それがもどかしい」と地元ビジネス
マンは言う。彼自身、ドイツの公募に50億チャットのビジネスプランを応募したという。この
ままでは、日本は大切なビジネスパートナーさえ失いかねない。
◎URLリンク(sankei.jp.msn.com)