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大阪府が大阪市中心部で路面電車の復活を検討していることが分かった。近鉄大阪
阿部野橋から南海難波までLRT(次世代型路面電車)を走らせ、買い物客や観光客の
利便性向上を狙う。市と調整し、3月末にまとめる都市構造の見直し案「グランド
デザイン・大阪」の骨子案に盛り込み、民間から事業者を募る方針。早ければ道頓堀
開削400年の節目に当たる15年中の開通を目指すとしており、構想がかなうと
46年ぶりの復活となる。
大阪市内では1903年に市電が開通し、最盛期には市街を縦横に結んでいた。
しかし、地下鉄網の整備などに伴い69年3月に全廃。現在は阿倍野区や住吉区などを
走る阪堺電気軌道の上町線と阪堺線の一部に路面電車の区間が残っている。
府の構想では、大阪阿部野橋からJR天王寺駅西側を北上し、天王寺公園(天王寺動物園
含む)を北西方向に横断。通天閣の北側を抜けて堺筋の日本橋付近を北進し、難波駅に至る
約3キロのコースを取る。阿部野橋以南については、住吉方面へ延びる阪堺上町線への
乗り入れも想定。料金は区間内均一で100円程度とする。
府は今年に入って「グランドデザイン・プロジェクトチーム」を作り、大阪市街地の
大規模な見直しを検討。難波や日本橋と天王寺、阿倍野の各エリアをひと続きの商業地
として更に発展させると共に観光客の足としても売り出したい考えだ。
府は40年後をめどに御堂筋の緑地化も目指しており、将来的には難波から梅田まで
延伸して緑地の中を走らせることも検討。府関係者は「大阪の魅力を存分に楽しむための
身近な交通機関になってくれれば」と期待する。
阪堺電気軌道に対しては、3月の骨子案がまとまった後に乗り入れが可能か打診する方針。
■ことば LRT(ライト・レール・トランジット)
従来の路面電車に比べて騒音や振動を抑え、低床式で乗降しやすいバリアフリー仕様の
軽量車両輸送システム。国土交通省などが06年から自治体の導入を支援しており、
富山市が06年に本格導入した。大阪府内で堺市も検討しているが、着工のめどは立って
いない。
●富山市内を走るLRT
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