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送変電技術の国際的な標準規格を決める「国際大電力システム会議」（本部パリ）の
１６ある研究委員会本部委員長の一つに、三菱電機・系統変電システム製作所（尼崎市）の
伊藤弘基・技術開発部長（５３）＝宝塚市在住＝が就くことになった。委員長ポストは
同会議設立から約９０年間、欧米人が独占し、日本を含めアジアからの選出は初めて。
今年８月、正式に就任する。各国とも自国に有利な規格を目指して、利害が対立する場の
仕切り役だけに、伊藤さんは「日本の技術をベースに国際標準化を進めたい」と抱負を
語っている。
同会議は、１９２１年に設立された民間非営利団体。１６の研究委を中核に、それぞれ
本部委員長がいる。伊藤さんが就任するのは、高電圧機器に関する研究委（Ａ３）で、
４０カ国が参加。電力会社や重電メーカーが国を代表し、論文を提出するなど国際標準を
めぐって主導権を争う。
同会議で採用される国別論文数で日本は毎年、トップ３を占める。伊藤さんは「長年の貢献
に加え、主導権確保のため、委員長ポストの獲得は日本として悲願だった」という。
伊藤さんは８４年に三菱電機に入社。Ａ３で日本代表を務めている。本部委員長就任は、
同会議で１千キロボルト級の送電システムに関する国際標準をまとめた実績などが評価された。
今後、Ａ３での主要テーマとなるのが、スマートグリッド（次世代送電網）や新エネルギー
の普及に向けた送変電技術。伊藤さんは「語学は不得意だが、他の日本企業とともにオール
ジャパンで国際標準化に取り組みたい」と話している。
◎cigre 国際大電力システム会議
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◎URLﾘﾝｸ(www.kobe-np.co.jp)