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東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で深刻な医師不足が続く南相馬市で、
常勤医を全国から公募する取り組みが動きだした。市立総合病院で30人、
民間の小野田病院で2人の計32人の確保を目標にする。全国の医療関係者らが
「南相馬市医療再建会議」を結成して後押しする。県の事業とは別に、独自の
対策で志のある医師を集め、地域医療の再生を目指す。
市立総合病院が募集しているのは内科医10人、脳神経外科医4人、外科、産婦人科、
小児科、眼科医各2人など。それぞれ市職員か在籍病院からの出向の形で受け入れる。
住宅は民間住宅を借り上げて貸与し、赴任時には旅費などを支給する。
受け入れに際しては、30人に上る医師の人件費の確保などが課題となるが、市の
担当者は「医師1人当たりの医業収益は年間約1億円に上る。医師が増えることで
財政が悪化する懸念はない」としている。
常勤医の確保と併せ、医学部卒業生が研修する「臨床研修病院」の指定を目指し、
増床や診療科の充実にも取り組む方針。
小野田病院は外科と泌尿器科の常勤医各1人を募っている。現在の常勤医は6人と
なっており、2人増により震災前の8人態勢に戻したい考えだ。
■医療関係者後押し「再建会議」を設立
震災後から南相馬市の医療支援を続ける千葉県の亀田総合病院の医師が常勤医の
全国公募を提案し、桜井勝延南相馬市長が応じた。亀田総合病院の医師と金沢幸夫
市立総合病院長、菊地安徳小野田病院長、桜井市長らで南相馬市医療再建会議を
つくり、趣旨に賛同した東京都内の東京大医科学研究所や虎の門病院、仙台市の
仙台厚生病院の医師らの支援を得て公募を始めた。
市立総合病院のホームページをはじめ全国の医療関係者らが加入するメールサービス
などを駆使して医師確保に当たる。会議に参加する医師らのつながりも生かし、
市内に定着する人材の掘り起こしにも努める方針。
両病院は「被災地での経験は必ず将来の糧になる。情熱のある若手医師にぜひ来て
ほしい」と呼び掛けている。
市立総合病院は震災前、常勤・非常勤合わせて21人の医師が勤務していたが、
震災や原発事故で一時、4人に激減。現在は常勤医10人、非常勤医7人の
計17人に回復したが、産婦人科や小児科などの外来診療は制限され、放射線の
内部被ばく検査など新たな業務も加わり、医師の負担が増している。
浜通りの医療復興をめぐって県は福島医大に資金を出し、寄付金で運営する災害
医療支援の講座を4月に開設し、全国から医師を募る計画だ。ただ、平成24年度は
4人分となっている。市は市内の医療態勢を再構築するには全国の医療機関との
連携を強め、独自に医師確保に取り組む必要があると判断した。
◎URLリンク(www.minpo.jp)