12/02/07 16:18:50.00
関西電力高浜原発が立地する福井県高浜町の粟野明雄・町議会副議長(62)が社長を務める
同町の金属加工会社「粟野鉄工所」が10年度までの5年間で、関電発注の原発関連工事を
少なくとも133件、計約7億円分受注していたことが分かった。同町議会は昨年9月、
原発再稼働などを求める意見書を、東京電力福島第1原発の事故後全国で初めて可決したが、
粟野副議長はその提案者だった。多額の原発関連工事を受注する議員が原発事業を推進する
構図が浮かび上がった。
粟野副議長は03年初当選、現在3期目で、昨年から副議長。原発を推進する「福井県原子力
平和利用協議会」の高浜支部事務局長も務める。
県などによると、粟野鉄工所は社員約15人で、10年度の売り上げは約2億円。高浜原発
構内に事務所があり、原発関連工事で業績を伸ばしてきた。
工事経歴書などによると、受注したのは「高浜3号機復水ポンプ吊上(つりあ)げ開口部修繕
工事」約2163万円(06年度)など。元請けは90年代からで、最近5年間は元請けだけで
67件・約5億3600万円分に達している。大半の地元業者が年数件から十数件にとどまる中、
元請け67件・下請け66件は突出しているという。
昨年9月に粟野副議長が提案した意見書は「脱原発に大きく振れてしまうことなく……原子力
発電を堅持することを求める」などとして定期検査後の原発再稼働などを国に求め、賛成多数で
可決された。
再稼働を巡っては、西川一誠・同県知事が「福島第1原発事故の知見を反映した新たな安全基準
を国が示さなければ認められない」とするなど慎重姿勢が相次ぎ、原発を抱える同県おおい、
美浜両町議会も意見書を見送っている。
粟野副議長は「国内のエネルギー事情を見て原子力が必要だと判断し、意見書を出した。
議員活動と会社経営は全く別で、受注の影響はない」と話している。
高浜原発は1・2・4号機が定期検査で停止中で、再稼働に必要な1号機の安全評価(ストレス
テスト)が1月、関電から経済産業省原子力安全・保安院に提出された。今後、保安院や内閣府
原子力安全委員会などの審査を経て、野田佳彦首相らが地元合意を前提に再稼働の是非を判断する。
◇取引先は公平審査
関西電力原子力事業本部の話 個別の契約については回答を差し控える。取引先は公平に審査
・登録し、工事内容に最適な取引先を選定して契約を行っている。
◎URLリンク(mainichi.jp)