【コラム】「日本のピリオド」~日本車が売れてるのに、日本が儲からない? [12/02/03]at BIZPLUS
【コラム】「日本のピリオド」~日本車が売れてるのに、日本が儲からない? [12/02/03] - 暇つぶし2ch1:@@@ハリケーン@@@φ ★
12/02/05 00:07:24.60
世界中でクルマが売れている。日本のクルマも売れている。しかしそのことが必ずしも
日本経済を沸き立たせてくれない。景気が日本を素通りしているようだ。なぜだろう。



たとえばそのヒントは、朝日新聞が1月28日朝刊で掲載した、「車販売新興国で明暗」と
いう署名記事にありそうだ。

1.自動車の世界販売台数は09年に落ち込んだが、10年、11年と急速に回復した。
2.GM(ゼネラルモーターズ)は急回復でトップに返り咲き、 日産・ルノーもV字回復
で世界3位に浮上した。 VW(フォルクスワーゲン)はそれまでの横ばいから、 2年で
世界2位にまで伸長した。
3.08年にGMを抜いて世界1位になったトヨタは、11年には落ち込み、世界4位に甘んじた。
4.11年には東日本大震災やタイの洪水被害があったため、部品供給が滞って日本の自動車
会社はどこも苦戦を強いられた。しかし日産は部品調達がスムーズで、他社より生産再開
が早かった。
5.日産はコスト削減のために世界共通の車台を作っていた。この車台を使ってタイ工場
で10年に「マーチ」の生産を始め、11年には中国、インド、メキシコなどでも生産を開始した。



この記事から日産好調の要点を拾えば、つぎの3点だろう。
1.販売ターゲットを中国やメキシコなどの新興国に絞った。
2.新興国ユーザーに合わせて低価格、低コストを徹底した。
3.そのために部品の世界共通化と人件費が安い現地生産を徹底した。

日産は間もなくメキシコでの生産が100万台を突破するという。対するトヨタのメキシコ
生産能力は5万台だそうだ。トヨタは国内の販売シェア4割を落とさないために、海外への
大規模な生産シフトがとりづらいというのだ。

トヨタと比べると日産の経営戦略の確かさ、力強さが際立って見える。GMもVWも同じ
経営戦略を取って好調であることから考えれば、世界市場を相手にしたビジネス戦で勝ち
残るやり方は明らかだ。

新興市場への食い込み、世界共通規格、世界広域調達、現地生産。これが世界市場で戦う
企業のキーワードだろう。

このキーワードは同時に、世界市場を相手に戦う企業が、祖国に雇用や利益をもたらさ
なくなることを意味している。

部品や完成品に投入される労働は海外にある。部品の運搬や保管、完成品の運搬は海外で
発注される。決済は海外の銀行を使って行われる。生産から販売まで、祖国に落ちる金は
ほとんどなくなるのだ。

明治以来、私たちが見慣れてきた日本の経済社会は、いまやピリオドを打とうとしているようだ。
昨年、日本の貿易収支は31年ぶりに赤字へと転落した。

しかしピリオドとは、もちろん終止符のことではない。一区切り、という再生の予感を
孕んだ意味としたい。

文●楢木望
ライフマネジメント研究所所長/ビジネスエッセイスト
『月刊就職ジャーナル』編集長、『月刊海外旅行情報』編集長を歴任。その後、ライフ
マネジメント研究所を設立、所長に就任。採用・教育コンサルタント、就職コンサルタント
、経営コンサルタント。著書に『内定したら読む本』など。

ソース:フレッシャーズ
URLリンク(student.mynavi.jp)


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