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【ドバイ=中西俊裕】
イランは欧米の同国向け経済制裁を巡って原油増産を検討しているサウジアラビアなど
石油輸出国機構(OPEC)加盟国に、
消費国からの供給拡大要請に応じないよう警告を発した。
16日付の英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が報じた。
一方、イラン外務省は15日、米政府からホルムズ海峡に関する書簡を受け取ったと発表。
返答するかどうかなど、今後、対応を協議する意向を明らかにした。
核開発を続けるイランに対しては米国が主導する形で経済制裁が強化されつつある。
イランのOPEC代表はサウジなどの増産の動きを「友好的ではない」と指摘。
米国や欧州連合(EU)の要請に応じて原油を増産した国は「罪人として扱われる」と述べ、
OPECメンバーであるサウジなどの動きを強い表現でけん制した。
英国のキャメロン首相、中国の温家宝首相、
日本の玄葉光一郎外相らは最近相次いでサウジアラビアを訪問。
イランからの原油輸入減少をにらみ、安定調達に向けた協議に乗り出している。
サウジのヌアイミ石油鉱物資源相は14日、「顧客のあらゆる需要に応える」と述べた。
経済制裁を受けるイランは、原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡を封鎖する可能性を示唆。
イラン艦艇が最近2回にわたり同海峡周辺で米軍艦艇に接近したとの情報もあり、
海峡周辺の治安状況について米側が書簡で何らかの打診や警告をしたとの観測が出ている。
イラン外務省のメフマンパラスト報道官は「ホルムズ海峡に関する米国のメッセージが3つの経路から届いた」と指摘。
イラン国連代表部、米国の利益代表を務める駐イラン・スイス大使、
タラバニ・イラク大統領を通じて書簡を受け取ったことを明らかにした。
書簡の内容については明らかにしなかった。
そのうえで報道官は「返答するのが必要と判断したなら、返事を送る」と指摘。
「イランはこの案件を検討中であり、適切な方法で対処する」と語った。
米政府は、国際原油市場に大きな影響を及ぼすホルムズ海峡の治安状況を脅かすような動きに出ないよう、
イラン側に何らかの打診をした可能性もある。
米側の関係者によると米海軍の揚陸艦「ニューオーリンズ」が今月6日にホルムズ海峡を経てペルシャ湾に入った際、
3隻のイラン武装高速艇がニューオーリンズから数百メートルの距離まで接近。
別の米艦艇にも同日、同様の事態が起きたという。
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