11/12/23 11:54:52.78
「欧州発の世界恐慌が現実味を増してきた」--。最近の経済ニュースで頻繁に発せられる言葉である。
しかし、日々の生活の中で「何がどうなれば」というあたりの実感がないと、理解しにくいものである。
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、ドイツ、フランスなどユーロ圏15カ国の国債を、格下げの方向で見直すと発表した。
すると早くも「欧州の債務危機が日本を直撃、国債が売り崩されて日本経済が沈没する」という不吉なシナリオが囁かれるようになった。
不安に思う要因の一つは、このような想定と実態経済の境目が曖昧に感じられるところにある。
日本国債は、12月1日発売の10年物金利が1.09%と、約4カ月ぶりの水準に上昇した。
金利が上がる=魅力があるというのは間違いではないが、裏を返せば、そうまでしないと国が金を集められない、つまり国に金がないという意味だ。
ちなみに火種のギリシャ国債は20%を超えるまでになっているが、信用がないので誰も買わない。
これは、政府が国民を騙していたという“実態”に基づいている。
欧州では一時、イタリア国債が危険水域の7.3%にまで達した(その後、政府の緊急策により低下)。
また、ユーロ圏最後の安全資産と目されていたドイツ国債にしても、募集額に投資家の需要が届かない大幅な「札割れ」が発生。
これを機にユーロ圏で株安・債権安が加速した。
それが回りまわって「まだ安全圏」(市場筋)にある日本に飛び火し、大量の日本国債が売られて現金化されるという由々しき事態が“想定”されるという図式である。
「S&Pやムーディーズなどの米本国の格付け会社は、財政事情を無視して以前から日本国債の格下げに熱心だった。しかも日本は円高で体力が低下している。
米格付け会社が更なる格下げに踏み切れば、日本国債は“第2のイタリア”になる。そうなれば日本を叩き潰して大儲けを目論むヘッジファンドの思うツボ。
格付け会社とヘッジファンドの怪しい二人三脚を勘繰る向きは多い」
市場関係者が語ったこのような話は『週刊現代』でも報道されていた。
彼らの目的は「安く買って高く売る」金儲けだ。そのために“信用”を操り、手段として“想定”を駆使する。
しかし、意外と知られていないことだが、日本国債の94.3%は金融機関や個人投資家など国内勢が保有しており、海外の保有比率は僅か5.7%に過ぎない。
その点、国内保有比率が低い欧米各国とは事情が違うといえる。
従って、日本は欧米に比べて国債売り崩しのターゲットになりにくく、これが日本経済崩壊の引き金に結びつく可能性は、あまり高いとはいえない。
「本当に怖いのは世界第2の経済大国に躍り出た中国の失速です。
国家の威信をかけた『北京オリンピック』『上海万博』が終了した今、客観的データはバブル崩壊のカントダウンを告げている。
そこに欧州危機の追い打ちが加われば、広大な中国市場にのめり込んだ日本企業は、至るところで返り血を浴びかねません」(日中貿易関係者)
今や中国は日本の大株主
中国の消費マインドの冷え込みは確かなようだ。
10月の新車販売は5カ月ぶりにマイナスに転じ、近く発表されるであろう11月の実績にしても「かなり厳しい数字になる」と、この関係者は語る。
中国を北米市場と並ぶ主戦場と位置づけているトヨタ、日産、ホンダなどの日本勢が、その影響をモロに被るのは避けられない。
>>2に続く
ソース:週刊実話
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