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2008年のリーマン・ショック前に169円台まで値上がりした1ユーロの価格は、歴史的な
円高で100円程度にまで値下がりしているが、欧州勢を中心とした外国製高級乗用車の
国内販売価格はなかなか下がらない。既存の外車愛好家が、為替の動きに合わせた急激な
価格変動を嫌がることが背景にあるが、「外車デビュー」を考える新規ユーザーには値下
げ待ちの姿勢がみられる。販売店側からも「そろそろ……」との声が聞かれるが、「いつ
、どの時点で値下げされる」かは、欧州債務危機との兼ね合いもあり、見通すことは難し
そうだ。
百貨店やスーパーで買い求めるワインなどの食料品は「円高還元セール」などに沸くが
、外車の販売価格は一向に下がらない。実際、BMWやフォルクスワーゲン、アウディの
日本法人などでは、現時点で円高による価格改定はしていない。
日本自動車輸入組合(JAIA)によると、国内に販売拠点を持つ外車メーカーは、一般的
に、為替変動の影響を最小限に抑えるため、長期的な輸出計画を立てて価格を変動させな
い仕組みを採用している。為替変動の影響を受けない円建てで輸入するケースもあり、
車体価格を変更するのは、モデルチェンジなどを機にした改定だけだ。
「すぐに消費される食料品と違い、耐久性のある自動車は為替変動で価格を変動しない
」(BMWジャパン広報)という原則があるためだが、既存ユーザーへの配慮という側面も
色濃いようだ。
為替変動のたびに新車価格を値下げすると、同じ車種の中古車の価格も下げざるを得な
くなり、中古車市場にも影響する。「結果的に、今のユーザーに乗ってもらっている車の
価値も下げてしまう」(関係者)ことにつながってしまうという事情がある。
しかし、ここまで円高が長期化すると、外車の価格が下がらないことにいらだつ新規顧
客が少なくない。大阪市内の男性会社員は「円高はもはや一時的なものとはいえず、価格
下落のタイミングを見極める」と、値下げ待ちの姿勢を貫く。
実際、フォルクスワーゲングループジャパンは「円高傾向が強まれば価格を下げること
も検討する」と話す。ただ、価格を維持している現段階では「新規の顧客から不満の声が
上がらないよう、カスタマーサービスを強化させる」(広報担当者)方針で、お得意さま
のフォローも忘れない。
第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストは「購入者の不満が高まるリスクが
あるだけに、外車メーカーにとって値下げは勇気のいる決断になる」と指摘している。
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