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水性ボールペンのように書き味がなめらかな三菱鉛筆の油性ボールペン「ジェットストリーム」。
平成15年に海外で、18年に国内で発売されたロングセラーのヒット商品だ。
販売本数は1年間で1億本に達する。ボールペンの素人の業界の常識にとらわれない発想が、従来の油性ボールペンの概念を覆した。
・日陰の部署に配属
「何をしてもいい、といわれても」。平成11年末、三菱鉛筆横浜研究開発センターの市川秀寿さんは、
スタンプ担当から異動したばかりの油性ボールペン担当席でため息をついていた。初めてのボールペン担当。
右も左も分からず、途方にくれていた。
当時、ボールペン事業の花形部署は、水性ゲルボールペン担当。油性ボールペンは書くときに強い筆圧が必要とあって、
公文書用の需要がメーンで花形とはいえなかった。軽い書き味と鮮やかな色合いで女性を中心に消費者のハートを
つかんでいたのは水性ゲルだったのだ。
その水性も書いているとインクが出てこない時があり、これが利用者にストレスを感じさせていた。
考えをめぐらせるうち、市川さんは思い立つ。「好きになれる油性ボールペンを作る」。それがスタートラインとなった。
インクのついたボールを紙上で転がし、インクの膜を紙に転写する。これがボールペンの基本構造だ。
転写する膜の厚みは油性で約3マイクロメートルに対し、インクのさらっとした水性は約2・5マイクロメートルと薄い。
さらっとしたインクで油性という商品の開発には、インクの粘度、インクが押し出されるボールの隙間など、
すべてのパーツを新たに作り直すことが不可欠となる。
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