12/04/19 22:14:16.50
経済学の基本原則に「フリーランチはない」というのがある。「何かを犠牲にしないで何かを得ることはできない」という意味だ。
こんなことは経済学で教えるまでもない常識だと思っていたが、京都府や滋賀県の知事がそれを理解していないのは困ったものだ。
彼らは記者会見で「今夏の電力需給状況を政府が第三者委員会を設けて明らかにせよ」と要求しているが、
電力が足りればいいのか。原発停止のコストはゼロだと思っているのか。
ニューズウィークにも書いたように、昨年の燃料費の増加は4.4兆円。
きのう発表された昨年度の貿易赤字も4.4兆円で、ちょうど燃料費の増加分が貿易赤字になった。
このうち原発の停止による増加は3兆円程度とみられているが、それでも毎日100億円ぐらいお札を燃やしているようなものだ。
そして電力供給が不安定になってエネルギー価格が上がると、製造業の海外移転が進んで雇用は失われる。
これが原発停止の機会費用である。
釣雅雄氏もいうように、最近の日本経済に最大の打撃を与えているのは、エネルギーコストの増加である。
4.4兆円というのは、GDPの0.9%。今年は円安・原油高でもっと赤字は広がるだろう。
もともと日本経済はエネルギー価格に対して脆弱だが、原発を止めると資源国から足下を見られる。
石井彰氏がGEPRで指摘するように、日本はアメリカの6倍の価格でLNGを買わされている。
LNG指標価格、ガス市場価格推移
URLリンク(www.gepr.org)
こういった当たり前のことを、なぜ政治が責任を持って言わないのだろう。
さらに6カ月前の菅の思いつき停止から功なることは分かっていたはず。