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■前原誠司の「直球勝負」(53) 日銀の同意人事について
本日(平成20年4月9日)、空席になっていた日本銀行総裁は、白川総裁誕生によってようやく
決まった。しかし、前財務官の渡辺副総裁案は民主党などの反対によって否決された。
私は京都生まれの京都育ち、生粋の関西人だ。小さな頃から、松竹新喜劇、吉本新喜劇を見て
育った。家内に言わせると、その割にはギャグのセンス、人を笑わせるセンスがないらしい。
でも、お笑いは大好きだ。私の好きな芸人に、吉本新喜劇の池乃めだかさんがおられる。
池乃さんのギャグに、ボコボコにやられながらも「今日は、このぐらいにしといたろうか」と
引き下がるものがある。郵政解散で民主党が惨敗し、私が代表に就任した直後、ある番組で、
やしきたかじんさんから「小泉さんに、この際、言いたいことはありますか」とふられ、
噛みながらではあったが「今日は、このぐらいにしといたろうか」と言ったことを覚えている。
残念ながら、あまりウケなかったが。
日銀の総裁や副総裁人事は、「なぜ、この人なのか」或いは「なぜ、この人ではダメなのか」と
いう明確な説明は必要だ。「財務省出身者は、すべてだめだ」というのでは、説明にならない。
武藤氏は、莫大な借金を抱える国の財政の立場から、金利を引き上げることに極めて
慎重だった。日銀の政策決定会合の議事録を見ても、ある程度、公定歩合を引き上げて日銀の
政策余地を作ろうとした福井前総裁とは、ある種の緊張関係があったように見える。国の
財政赤字を考えれば、金利は低いほうがいい。借金をしている企業も、同様に考えるだろう。
しかし他方で、資産を持っている人たちにとっては、低金利は損だ。利息がつかない。
可処分所得が増えないから消費に回らない。日本は内需が弱く、外需主導で何とかやっている
要因の一つでもある。つまり、本来は資産を持っている人たちに付くべき利息を、国の借金返済に
回しているのと同じことになる。また、金利の低い国に、どうして他国の投資家が好き好んで投資を
するだろうか。
田波氏の場合は、背景が透けて見えた。穿った見方かもしれないが、田波氏の後釜として
JBICの総裁に武藤氏を据えて、田波氏の後に、日銀総裁として武藤氏を迎える。あくまでも
「武藤ありき」だったのではないのか。
つづく