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日本より千年遅れていた朝鮮
◎渡部
日清・日露戦争当時の朝鮮というのは、底知れぬ貧乏国でした。 単に近
代産業がないというレベルではありません。 農業生産にしても、とうて
い日本とは比べ物にならないものだった。 「春窮(しゅんきゅう)」とい
う言葉があるくらいで、秋に収穫した米も春を迎えるころになると尽きて
しまうというのが珍しくなかった。 収奪なんてできるわけがない。
また当然、商業なども発達していませんでした。 日清戦争の後に、陸軍軍
人であった柴五郎が朝鮮を旅行したときに驚いたのは、朝鮮には銀貨も紙
幣もなくて、銅銭だけがあったということでした。 つまり、当時の朝鮮に
は高額の貨幣が必要なかったのです。 そして、その銅銭もシナから輪入
した銭だった。
谷沢
日本で言うと、平安時代末期から鎌倉時代の状況です。つまり、コリアの
経済は日本よりも800年遅れているわけです。 (中略)李氏朝鮮においては
商業は卑しいものだと思われていた。
「こんな「歴史」に誰がした」渡部昇一・谷沢永一 平成9年 クレスト社