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4月9日京都新聞朝刊23面(第三社会面)
通信使「鶏泥棒」ぬれぎぬ? ネットで話題、伏見来訪の絵図公開
URLリンク(up3.viploader.net)
※掲載された画像の右側のカットされた部分
URLリンク(sekaiichi.up.seesaa.net)
インターネット上などで「朝鮮通信使が鶏を盗んだ証拠」として取り上げられることが多い
「通信使淀城下到着図」が、京都市歴史資料館(上京区)の展示「朝鮮通信使と淀」で
公開されている。ネット上では一部をトリミングした画像が大半だが、同資料館は「絵図全体や
記録をみると、盗んでいるとは断定できない。ぜひ全体をじかに見て判断してほしい」
と呼び掛けている。
絵図は、1748(延享5)年に朝鮮通信使が淀藩(伏見区淀)の城下を訪れた際の様子を、
接待役を務めた藩士の渡辺善右衛門が描いた。使節を見ようと見物人が集まったにぎにぎしい
様子が描かれている。
路上で鶏を持った使節が周囲の日本人と争っているような様子が一部に描かれており、ネット上
では「鶏を盗んだ」として、当時の朝鮮を非難する材料として取り上げている個人ブログもある。
しかし同資料館によると、善右衛門が同時期に、当時の様子を詳細に記録した「朝鮮人来聘記」
には、鶏が逃げ出した記録はあるが、窃盗の記述はなく、絵図の作者に使節を非難する意図が
あったとは考えにくいという。さらに、絵図全体を見ると、鶏を手にした使節の上には、使節の食材など
を準備した建物「下行所」があり、鶏が民家で飼われていたものではなく、使節のために用意されたも
のだった可能性があるという。
絵図には、暴れる馬を使節が取り押さえる様子も描かれており、下行所から逃げた鶏を使節が
捕まえようとしたとの見方もできるという。
資料館は「歴史資料は、一部だけを取り上げて断定すべきではなく、ほかの資料と突き合わせるなど
慎重な扱いが必要だ」と話している。 展示は5月16日まで。月曜・祝日休館。無料。