12/05/17 21:51:12.22
結局あゆ登場以前の主要アーティストは社会の裏側を暗に風刺して批判するような歌手は居なかったからね
殆どが凡庸な恋愛歌詞や、無責任な励ましメッセージのような単純明快な歌詞
ミスチルの深海ボレロなどは社会問題に踏み込んだ問題作と言われているがアレはあまりに直接的であるし
あくまで桜井和寿個人の主義主張であり、リスナーの心に踏み込むような作品とまではいかなった
強いて挙げれば90年代後半の小室哲哉関連の作品があゆの原型といえる
小室は抑圧的で生き詰まった都会で生き、一時の感情、刹那的な快楽を求める若者の心象風景を描いていた
「皆こんな風に生きてるけど、本当はこんなこと思っているんじゃないの?」
というメッセージを小室はあの時代語りかけていた
でもそれは、あくまで個人の心理の描写に過ぎない
その後に登場したあゆは自身の歌詞で小室同様に腐敗した社会に生きる若者の心を代弁し
「それでも世界は美しいんだ、人間は優しいんだ、人間はこんなにも美しいんだ」
という絶望的な世界のなかで、ある種希望を持たせるようなメッセージを送り続けた
そこがあゆのあゆたる所以であり、既存の枠にとらわれない全く新しいアーティストと言えるところではないだろうか