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映画監督の榊英雄に性加害疑惑、この報道を聞いた時、僕は「ああ、あの人ならやりそうかもしれないなあ」と思いました。僕の頭の中には榊氏の悪行イメージが、津波のようにあふれ出したからです。
疑惑が浮上してからおよそ2年後、榊氏は逮捕されました。最初、「あまりにも遅すぎる、惜しまれぬ逮捕だ」と思いました。「やっと捕まったか、これで日本映画界も多少良くなってほしい」とすら思っていました。
考えが変わったのは、その数か月後、袴田事件で死刑が確定した袴田巌さんに無罪判決が下ったことです。袴田さんが捜査線上に浮かんだ理由は、巨漢で柔道の有段者である被害者の専務と格闘できた人間として、元ボクサーである袴田さんの名が浮上したこととされています。
榊氏は一貫して無罪を主張しています。「往生際が悪いな」そう思っていましたが、この事件を調べていくと、次々と「あれ?」「あれ?」と思うような事柄が出てきました。
僕は榊氏の悪人面と、俳優としての彼が多数演じたヤクザ、DV男、荒っぽい刑事などの過去の役柄から生まれる、悪のイメージ一色になってしまったのです。これは現代の魔女狩りではありませんか。お恥ずかしい話、先日、再審が認められた日野町事件をはじめとした冤罪被害者を生んだ警察と何も変わらないです。
榊氏には裁判で懲役10年が求刑されましたが、万が一にも冤罪であれば、これはとんでもない話です。