18/08/06 22:44:32.99 EPedGeeS.net
>ヒッチコック作品や『映画術』に影響を受けた現代の映画作家も多数登場。
デヴィッド・フィンチャー、ウェス・アンダーソン、ジェームズ・グレイ、ポール・シュレイダー、
マーティン・スコセッシ、黒沢清などの発言が興味深い。
とりわけ面白かったのは、アクターズ・スタジオのメソッド演技に対する
ヒッチコックと後進の監督たちとの見解の違い。
ケーリー・グラントやイングリッド・バーグマンのようなスターを好んで起用していたヒッチコックは、
「必然性がわからなければ演技できない」と主張するアクターズ・スタジオ出身の俳優が嫌いだった。
『私は告白する』(1953年)では主演のモンゴメリー・クリフトと対立し、
クライマックスで目の前のビルを見上げる演技をさせるのに一苦労。
たとえ俳優が納得できなくても、ストーリーの上では不自然な動きであっても、
映画表現の上で必要な演技というものがある、とトリュフォーに主張している。
ところが、フィンチャーの考え方はまったく逆で、
「私はアクターズ・スタジオの俳優でなければ安心して使うことができない」とコメントしている。
何故なら、彼らはどういう状況でどのような演技をするべきか、
監督がいちいち細かいことを言わなくてもすでに理解しているから、というのだ。
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