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📦 運送の世紀
―黒猫の悲劇 果てしなく―
※この物語はフィクションであり、登場する企業・人物・団体はすべて架空です。たぶん。
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第一章:便利という名の地獄
かつて、「ヤマト運輸」という会社があった。
「宅急便」を商標登録し、日本中に荷物を届けた“物流の神”のような存在だった。
だが、あまりにも便利すぎた。
翌日配達、時間指定、送料無料、再配達。
気づけば、日本人の生活は“黒猫なしでは成り立たない”までになっていた。
そしてその便利さの裏で、誰が何を犠牲にしていたのか―誰も気にしなかった。
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第二章:「2026年問題」という時限爆弾
2026年、「働き方改革」の最終段階が訪れた。
トラックドライバーの時間外労働が厳しく制限され、“運びたくても運べない時代”が始まった。
人がいない。人が来ない。人が辞める。
その穴を埋めたのが、「スキマバイト」という名の素人たちだった。
アプリで即日登録、マニュアルは未読。現場は地獄。
「荷物を置けば終わり」「遅れても関係ない」「客に話しかけないでください」
その一つ一つが、ヤマトブランドの首を締めていった。
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第三章:腐りきった中間管理職
本社の指示は現場を知らない机上の空論。
現場は疲弊し、バイトは逃げ、クレームだけが倍増した。
そしてすべての責任を負わされたのが、「中間管理職」だった。
上司からは「数字出せ」と怒鳴られ、部下からは「パワハラ上司」と密告され、
家庭では離婚、胃に穴、髪は抜け、命を絶つ者まで現れた。
彼らは物流を支える“柱”ではなく、“生贄”だった。