16/06/12 12:07:02.99 2WZz0bLO.net
子供と大人では生きている時間が違う。
例えば、お父さんの「よく読む本」は1ヶ月に一回は読む本のこと。子供の「よく読む本」は1日に何回も読む本のこと。
母はそれがわからなくて、家の中の時間を父にあわせた。
リビングの一番使いやすい場所の本棚は埃だらけ、雑貨入れはカビとサビだらけ、ゴミだらけ。まだ小学校の名札が入っている。
服はサイズでたらめ。靴は爪が剥がれた。太りやすい子ね、大丈夫なのかしら、と言いながら少しずつ大きいものを勝手に買ってくる。成長という概念は無かった。
毎年増える教科書もノートも全部見えるところに置くから、壁じゅう本棚だらけ。
整理整頓が苦手な子、不器用な子、そう扱われ、ハサミすら「危ないから1人で使っちゃダメ、もうちょっと大きくなってからね」で20年経過。
でもそれか普通だと思ってた。
物に新陳代謝があることを知って、物は捨てていいことを知って、ほとんどの私物を処分した。
母には、買ってあげたものを10年もしないうちに捨てるとんでもない浪費家に見えたらしい。
「お父さんはなー、この時計を40年も使ってるんだぞ」とお説教された。捨てようとしていたのはドラ○もんウォッチ。就活にこれをつけていくのは無理。
親にとって子供とはいつまでたっても小さい子供のままなんだなあ、と微笑ましく思ったが、親を自然に下に見ている自分に気づいてもう無理だなと思った。
お父さん、お母さん、あなたの可愛い子はもうどこにもいません。ここにいるのは、ただの大人です。さようなら。