11/05/13 18:31:21.16 7bqbru0N.net
ドキュメンタリー小説「破獄」吉村昭
の後半のワンシーンに掃除のモチがちょいと上がった。
これは刑務所から何度も脱獄を繰り返す男に焦点を当てた、日本刑務史とも言うべき物語で、本筋ストーリーとは直接関係ないんだが。
328ページから329ページあたりの、ほんの数行。
刑務所の囚人が「房が汚れているが、工場の作業を一日休ませてもらえばピカピカにしてみせる」と申し出る。
刑務所所長、鈴江は房内の清掃も大切な仕事と考え、
「一日といわず、二日でも三日でも休んでやって見よ」と許可する。
三日目に見てほしい、と呼ばれて鈴江はその徹底した清掃ぶりに驚く。
両側の囚人にその房を見せたところ、囚人たちはこぞって清掃に励み、
後日、府中刑務所はアメリカ陸軍次官が視察に訪れた時、その整然さに驚嘆される…みたいな感じ。
どこだって綺麗なところは気持ち良く暮らせるようになるんだなあ、と感銘を受けた。
掃除のモチアゲをしようと思って読んだんじゃないけど、たまたま図書館で読んで、いいなあ、と思ったので。