15/07/28 23:03:27.97 yPosMMXv.net
>>965中敷はオーダー派の俺としては逆にメッシュの中敷いれると蒸れないのか聞きたい
スノコとかって空気が流れる様な場所に敷くから防湿になるんであって
密閉された靴の中に敷いても湿度は変わらないんじゃね?って思う
素材その物のシャリ感とかが大きいんではないだろうか?
同時に試せたらいいのかな・・・
そう思って試しに左右別々のインソールを入れて実験して見た
結果は「良く分からない」だった
それもそうだ
そもそもインソールを入れなくたって左右の履き心地は違うんだからな
誰にも気づかれない小ぶりなモンローウォークをしてるみたいで滑稽だ
その日履く靴は勿論の事だが体調や湿度、運動量や革のコンディション
ウェストンフィッティングで痛めつけられて日々変形する足では
その微細な違いに気づく事は出来ない
私は恨めしく自分が販売している天蚕の布地を眺めた
薫風のように軽やかでいて少し濡れた様な手触りの極上の天蚕の布地だ
艶かしくすらあるこの布地の元となる絹糸を作るちっぽけな虫に思いをはせた
(芋虫は見た目こそ醜いけれどこんなに美しい布を生んでくれる。
私は自分の足すらも満足に慰めてやる事はできない。
そもそもどうして私の足は2本しかないのだろうか
百足の様に百対の足を持てたのなら
きっと満足のいくインソールが見つかるのだろう
自宅の殆どの容積を占領している積まれた靴達にも
次の出番をすぐに用意してやれるのに・・・)
ここまで考えて私は
(しかし自分が虫だったとしたらそもそも靴など履けないじゃあないか
身の丈を超えた空想をやめて現実に戻ろう)
そう私は思いなおしてヌバックの手袋を嵌め布地の整理を始めた。
その日は、中国から買い付けた布が届く日で、大変な労力を要した。
じっとりと汗をかき、革に包まれた手足は蒸れ気持ちが悪かった。
悪臭を放っている事は想像に難くない。その革一枚隔てて最高の生地に触れているのはなんだか罪の様な気がした。
処女の柔肌を独占したい様にお披露目までは誰にもこの記事を触らせたくないと思って
従業員を休ませたのは失敗だった。誰にもこの布地は任せられない。
給料を奪うだけの怠慢な社員を憎みながら作業を進めた。
いつしか私はくたびれ果てて、絹の布地にもたれ掛かった。
無理をして買い付けた絹の織物とスキャバルで仕立てたスーツ地とその裏地から伝わる感触は
私の張り詰めた気を緩め、気付くと、気付く暇すらなかったのだが
あろう事か私は絹地を