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【連載 06】PPARαとPPARγの活性化調節、高脂質食と低脂質食
PPARsは、物質代謝やエネルギー産生に関与しています。
特にPPARγは「脂質代謝のマスターレギュレーター」と言われ、脂肪合成や脂肪取り込みのみならず、
老化した脂肪細胞のアポトーシス、多能性幹細胞から新規脂肪細胞への分化調節など、
脂肪細胞の特徴をもたらす多くの遺伝子の転写制御を担うことが知られています。
摂食後はPPARγが作用して効率的に体内に脂肪を蓄え、空腹時はPPARαの作用により体脂肪がエネルギーに変換され消費されます。
PPARγとPPARαは、糖や蛋白の同化を進めるインスリン、異化を進めるグルカゴンのような関係です。
PPARαの作用は、食事由来の遊離脂肪酸によって活性化され、インスリンシグナルによって抑制されます。
low carb, mid protein, high fatのケトジェニックダイエットは、PPARα活性化をもたらし、体脂肪燃焼を促します。
脂質をカットしたlow carb, high protein, no fatでは、門脈に食餌由来の遊離脂肪酸が流れず、肝の脂肪酸β酸化系酵素群の誘導は、末梢血への遊離脂肪酸動員を待たなければなりません。
しかし、真の飢餓ではないので、末梢血に遊離脂肪酸は十分に動員されず、糖原性アミノ酸を原料とした糖新生ベースでの血糖供給が進みます。
食事で蛋白質の十分量の補給がなされなかった場合、筋異化による糖新生が進み、サルコペニアのリスクを招きます。