15/07/27 20:45:31.12 4XELnlbo.net
(承前)
糖新生の原料(グリセロール)の移動は、体脂肪 → 肝臓。
遊離脂肪酸の移動は、体脂肪 → 諸臓器で、
β酸化で切り出されたアセチルCoAが肝臓に戻されケトンに変換され
再び血流にのって諸臓器に分配され、消費される。
このとき、インスリンもグルカゴンも基礎分泌レベルの揺らぎを保つが
微量の遊離脂肪酸と高濃度のケトンが血中に供給されている場合、糖新生は抑制される。
末梢血から脳脊髄液に移行した遊離脂肪酸が、視床下部からの自律神経線維を介して
肝糖新生を抑制する「脳肝連関」の存在が知られている。
URLリンク(www.igaku.co.jp)
ケトンの細胞膜通過は、MCT(モノカルボン酸トランスポーター)を介して行われ
インスリンシグナルを必要としないので、インスリン基礎分泌も節約される。
脂肪酸代謝のマスターレギュレータ分子、PPARαとPPARγを活性化させる分子は
食餌由来の、門脈を通る遊離脂肪酸そのもの。
脂質を十分に摂取することで、体脂肪由来の脂肪酸β酸化も滞り無く行われる。
内臓脂肪の内分泌機能回復、肥大化脂肪細胞のアポトーシス、小型脂肪細胞の分化誘導が行われ
分厚く固く沈着した皮下脂肪の軟化、置換、再生も促される。
カロリーカット目的で脂質制限を行うと、この効用を捨てることになる。