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「日本沈没」について。
劇場版は1973年の12月公開であった。主役のペアは仮面ライダーの藤岡弘、氏
といしだあゆみさん。監督は森谷司郎氏。製作期間は約4か月と短かったが、
約880万人の観客を動員し配給収入は約16億4000万円(1974年邦画部門配給収入
1位)を挙げる大ヒットを記録。本作の成功で森谷司郎氏は以後「八甲田山」
など大作映画を任せられる監督となる。東宝はその後「ノストラダムスの大予言」
「東京湾炎上」とパニック映画を一つの路線としていった。小生が劇場で観たの
は日本沈没だけ。感想は壮大なスペクタクルですごい作品だったが、日本列島を
上空から眺めた場面で富士山からの煙がボワッと吹き出るなど、特撮場面でやや
ガッカリするシーンがあったのは残念。藤岡さんは仮面ライダーのイメージでは
なく颯爽とした好青年という感じであった。田所博士役の小林桂樹氏が熱演である。
対してTVシリーズであるが、映画版よりもさらに悲壮感を加えメロドラマの雰囲気
が強くなっている。田所博士は原作と異なり生き残る。ラストシーンも小説や映画と
大幅に違っており小野寺と玲子が生死不明という形で幕を閉じるが、後に放送された
総集編のナレーション等で2人は助かってオーストラリアに脱出したことが明かされた。
この総集編は観ていないので、小生にはいまだにあの2人は助かったのかどうかが長年
気になっていた。この作品は世の中の世紀末に対する不安や関心を集めて人々の心に
大きく残るものとなった。もし本当に日本が海に沈むことになったら僕たちはどうした
らいいのだらう。当時、そんなことを考えながらこの番組を観ていた。