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「惜春」(67年)では、東宝の新珠三千代とケンカ。当時は新珠主演のドラマ「氷点」が大ヒットしていた時だった。新珠と加賀は姉妹の役で車から降り立つというだけのカットのだが、二時間ほど待っても一向に始まらない。不振に思った加賀がスタッフを追及した結果、新珠がオンエア中の「氷点」をこたつに入って見ていることが分かったのである。当時はビデオなどが普及している時代ではないので基本的にはオンタイムで見るしかないのだ。
ワンカットの撮影のためにみんな待っているのに、と頭に血が上った加賀は、新珠がテレビを見ているという家へ駆け込んで、テレビのスイッチを切り、「アンタ何様よ!」とやったわけである。新珠もまさか10以上年下の後輩女優に、どやされるとは思っていなかったであろう。スター女優というのは待たせるのが当然みたいな風潮もあったようだ。瑳峨三智子など九時開始なのに三時ころ来たりしたという。
話を「惜春」に戻すと、新珠との姉妹ゲンカのシーンでは新珠がセリフを言うた度に「ヒッ(息を吸う音)」と引くので、ケンカになって行かないので、監督に「ケンカにならないから何とか言ってください」と訴える。二人とも直接会話をしないようになっていたので、監督いびりのようになってしまったという。
後で東宝Pの藤本真澄が「新珠をいじめた加賀まりこってどの女だ」と見にきたらしい。新珠とはそれ以来、話をしたことがないという。以降もパーティなどでよく見かけることはあるのだが、どんなことがあってもお互い会釈もしなければ、絶対口を利かなかったという。