07/09/22 17:10:44 Ugwrq4EB.net
この作品は現実にあった戦争を基につくられているが、清太が節子を死に至らめた責任を・・・・
海軍の家族であるが故の待遇を何故受けなかったのか、親戚の叔母さんに頭を下げてまで何故もう一度お願いしなかったのか
などの現実的批判もあるけど、差別になったこの兄弟が叔母さんの家を出る時の〝あの開放に満ちた飛び跳ねるような嬉しさ〟
それがもう何物にも替え難いことを物語ってるよね 結果として節子を餓死させてしまったけれど あの川辺(横穴)での
ごくわずかな楽しい生活(ひととき)は、この兄妹にとっては最高の幸せだったんじゃないかと思う
よくこんな「死」は、当時はめずらしくも何ともないなんて言う人もいるけど 戦争のつらい状況のなか 兄妹で力を合わせて
自分達だけの「儚い城」を築いたところに この作品の見どころがあるのだと思う だから 生きていた時のその楽しい想い出が
繰り返し幻想的なシーンで描写されると・・・あまりに切なく つい涙が出てしまう
節子が息を引き取るとき 兄ちゃんに最後に言った言葉 「兄ちゃん、おおきに・・・」 節子は兄ちゃんを恨んでいなかった・・・