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この世は苦しみであるという。それは欲望に執着するからである。欲望が満たされないときに苦しみ、満たされて楽しむ。
そのような苦楽が真実に人を救うものでないことは誰にでもわかっている。
発疹を掻けば楽になる。しかしそれなら、初めから発疹がないことこそがほんとうの楽ではないであろうか(『ラトナーヴァリー』二・六九)。
愛着を滅して悟る、ということもこれと変わらない。
初めから愛着に本体のないことを知るに及ばないのである。
要素の存在をまず立ててその後にこれから離れる、という考え方は、恒常的な自我を主張する非仏教者が誤っているのと同じように誤りである。
梶山雄一;上山春平.仏教の思想3空の論理<中観>(角川ソフィア文庫)(Kindleの位置No.2142-2148).株式会社角川学芸出版.Kindle版.