20/03/16 23:46:28 743T/Jhd.net
無門関(むもんかん) 第3則 倶胝竪指(ぐてい じゅし)
倶胝(ぐてい)和尚、凡(およ)そ詰問(きつもん)有れば、唯(た)だ一指を挙(こ)す。
後(のち)に童子(どうじ)あり。
因(ちな)みに外の人問う、「和尚、何の法要をか説かん?」。
童子も亦(また)指頭を竪(た)つ。
胝、聞いて遂’つい)に刃(やいば)を以(も)ってその指を断つ。
童子、負痛号)哭(ごうこく)して去る。
倶胝、復(ま)た之(これ)を召(め)す。
童子、首を廻す。
胝、却(かえ)って指を竪起(じゅき)す。
童子、忽然(そうぜん)として領悟す。
胝、将(まさ)に順世(じゅんせ)せんとして、衆(しゅ)に謂(い)って曰く、
「吾れ天竜一指頭(てんりゅういっしとう)の禅を得て、一生受用不尽(いっしょうじゅようふじん)」と。
言い終って滅を示す。
倶胝和尚は、挑戦的な問答をされると、決まって唯だ一本の指を立てた。
ある時、倶胝の処に居た童子に客が「倶胝和尚が説いている仏法の肝要とはどのようなものですか?」と聞いた。
童子は、直ちに一本の指をスッと立てた。
これを聞きつけた倶胝和尚は遂に刃を以って