18/08/25 23:51:39.65 jYwuNSAf.net
碧巌録(へきがんろく) 【第22則 《雪峰?鼻蛇》】べつびじゃ
垂示に云う、
宇宙は無限で広大である一方で、限りなく微細な原子で成り立つ両極だ。
同じように人間は、束縛することも放任することも自分次第の両極だし、小さく縮めるのも大きく広げるのも自分次第の両極である。
心身の束縛を解き放つには、文字や言葉を消し去り、各人が足場となる渡し場に坐りこみ、その上で一人一人が千仞(じん)の絶壁のようにそびえたたなければならない。
さて、これはどのような人物の境地であろうか。提起してみよう。
【本則】
雪峰が衆僧に教示した。 「南山には鼻がひしゃげた毒蛇が一匹いる。諸君はよく見なければならない」。
長慶が言った。 「今日は僧堂で命を失う者が出るぞ。」。
ある僧がこの話を玄沙に告げた。
すると玄沙は言った。 「長慶さんが命を失わなければならない。わしなら、『命を失う者が出る』などとは言わない」。
僧が質問した。 「それでは、玄沙和尚ならどのようにおっしゃりますか?」。
玄沙が答えた。 「南山をもちだして何になる」。
雲門は、杖を雪峰の目の前に放り出して、怖がるしぐさをした。