18/04/30 17:33:17.43 QPXqNMEw.net
>>352
失意のなかでも、私は亀のごとく、本だけは読みつづけておりました。
頭が鈍るという理由から、夕食の量を減らしてまで、法律と政治学の勉強をしました。
しかし、一年の留年ののち、司法試験は短答式試験には合格するも、論文試験には不合格。
国家上級公務員試験も不合格。東大に助手として残ろうとしたのですが、成績不良につき、その道も閉ざされてしまいました。
そして、ある商社にやっとひろわれた感じで就職したのです。
10歳の時、四国の山のなかで、白手袋に手袋に息を吹きかけながら、赤い耳をして、寒さのなかで勉強していた自分の姿を思い出すと、私は、涙が流れました。
私は、この世的に成功しようとすると、つぎつぎと打ちくだかれていったのです。
そして、自分のいつわりの人生をふりかえっては、こう思っていました。
「ああ、自分は世の中に対して、なにひとつ還元していない。
自分は、自我我欲のままに生き、まったくの悪人になってしまった。
いま、死ねば、きっと自分は、地獄の最深部に堕ちて、何百年ももだえ苦しむにちがいない」