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ルカによる福音書１１・２９ー３７
「よきサマリア人」の話。強盗に遭った人の横を、義人とされている司祭とレビ人が
通り過ぎる。しかし三人目の異邦人のサマリア人が被害者を助けます。
律法学者が「隣人」とはだれのことですか？とイエズス様に質問をして、その
例え話が上の話です。そのあとにイエズス様は、隣人はだれだと思うか？
と律法学者に尋ねられる。律法学者は「その人を【あわれんだ人】です」と答える。
そしてイエズス様は「あなたもそうせよ」と言われる。
このサマリア人の心の中に、老クリスチャンが誘うカテキズムの文言や教会憲章の文言や
カルケドン信条のような条文が頭をめぐったのではなく「あわれむ心」があったのです。
「あわれむ心」です。
自分の心に湧くからわかるでしょう。それは文言としてありますか？ここが重要なんです。
それを念頭に入れて、老クリスチャンは以下の意味を考えてください。
マタイによる福音書１２・７
〈私が望むのはあわれみであって、いけにえではない〉とは
どんな意味かを知っていれば、罪のない人をとがめることはしなかったであろう。
「いけにえ」というのはカテキズムや神学などのごたごたした知識と考えてもいいでしょう。
安息日を頑なに守るのも「いけにえ」。ギリシア語訳も「いけにえ」ではありませんか？
「あわれみ」があれば「いけにえ」は要らない、とイエズス様は教えられているのです。
無駄な「いけにえ」をさせようと誘うのは、正しいことではありません。
それは自分が悦に浸るためではないでしょうか。