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>>834
本則
梁(りょう)の武帝(ぶてい)、達磨大師に問う、「如何(いか)なるかこれ聖諦第一義(せいてい だいいちぎ)!?」
磨云く、「廓然無聖(かくねんむしょう)」。
帝云く、「朕(ちん)に対する者は誰(た)そ?」
磨云く、「識(し)らず」。
帝、契わず、達磨ついに江を渡って魏に至る。
帝後に挙して誌公に問う。
誌公云く、「陛下、還ってこの人を識るや?」
帝云く、「識らず」。
誌公云く、「これは是れ観音大士、仏心印を伝う」。
帝悔いて、遂に使いを遣し去って請ぜんとす。
誌公云く、「道(い)うことなかれ、陛下、使いを発し去って取らしめんと、闔(こう)国(こく)の人去(ゆ)くともまた回(かえ)らず」。
注
?
聖諦第一義:仏法の根本義。
廓然無聖(かくねんむしょう):からりと晴れ渡った青空のように「聖」も何も無い開豁な世界。
誌公:宝誌(418~514)。神異と奇行の僧として知られた。「大乗讃」、「誌公和尚12時頌」、「誌公和尚14科頌」などが伝わり、中国の大乗禅の基盤を作った人として知られる。
闔国(こうこく)の人:国をあげてすべての人々。
本則
梁の武帝は達磨大師に聞いた、「仏法の根本義はどのようなものですか?」
達磨は言った、「からりと晴れ渡った青空のように「聖」も何も無いわい」。
武帝は言った、「朕に向かいそのようなことを言っているお前は一体何者だ?」
達磨は言った、「そんなことは識(し)らん」。
武帝は達磨の心を理解できなかった。
達磨はついに江を渡って魏に去った。
後に武帝はこのことについて誌公に聞いた。
誌公は言った、「陛下、この人が誰か分かりますか?」
武帝は、「知らん」と言った。
誌公は、「彼は仏心印を伝えに来た観世音菩薩ですよ」と言った。
武帝はこれを聞いて後悔した。
彼は遂に使いを派遣して達磨を呼び戻そうとした。
誌公は言った、「陛下、使いを派遣して達磨を呼び戻そうとしてもだめですよ。国を挙げて呼び戻そうとしても彼は帰って来ないでしょう」。