24/02/18 00:42:45.32 .net
さらに、渡す手続きが不可解だ。困窮者に非常食を提供する市の「緊急援護実施要領」には、「援護を要する者から食料物品援護申請書を徴収する」とある。職員は乾燥米1袋を持って女性のもとへ行き、申請書に署名を促した。だが、女性は衰弱のせいかじっと動かず、言葉も発さない。職員は渡さずにいったん戻り、上司に指示を仰いだ。そして、許可を得て再び女性のもとへ行き、「ここに置きます」と声をかけ、傍らに袋を置いた。
2度目の119番通報もお粗末だ。女性に寄り添う支援組織メンバーの「救急車を呼んでください」という言葉で、居合わせた保健師は市庁舎内に戻り、通報する許可を得ようと担当課の責任者を探し回った。結局見つからず別の職員に通報を依頼する。なぜ自ら即座に通報しないのか。要した時間は不明だが救急医療では生死を分けかねない。
「お役所仕事」。他に適当な言葉が見つからない。目の前で人が倒れていてもなお、規則に定めたこと以外はやらない。「規則に反しない限り、柔軟に考えて行動する」という人間味のある対応はみじんも感じられない。
とはいえ、責任を市役所に押しつけるだけでは不十分だ。「もし、自分がその場に居合わせたらどう行動したか」。私は今も、自問自答を繰り返している。