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年の瀬に絶縁された暴力団幹部の嘆き「もう頼れるのは生活保護だけ」
年の瀬も押し迫ったこの時期に、筆者の携帯に見知らぬ番号から着信が入った。仕事柄、非通知設定の着信はひじょうに多い。別に珍しい事ではないので出てみると懐かしい声が聞こえた。
「久しぶり、娑婆に出てきたよ」
電話の主は殺人未遂で懲役に行っていた暴力団幹部である。彼は12年前に組の揉め事で事件に絡んでいた。
「じつは今はカタギになってね。千葉に住んでるよ」
少年時代からヤクザだった男は、当時から非道の限りを尽くし、10代の終わりに大阪の本家事務所の部屋住みを経てヤクザになった。
そんな彼の所属する組織(本家)で部屋住みといえば下部組織から選抜されたエリートだ。男はただの部屋住みから親分付まで命じられるなど順調に出世したように見えた。
―なぜ、カタギになったのか?
「出所してから、もう完全に時代遅れを感じてね。とくに携帯電話と法律には戸惑ったよ。組からの報奨金も思ったより少なくて、戻ってきても居心地悪くてさ。
事件の前は組の若頭補佐だったのが、出所したら舎弟に直ってた。それも知らないうちに」
男は本家の組長というポストを狙っていた。しかし、舎弟になれば下部組織の組長にはなれるが、彼が狙っている組織の長にはなれない。舎弟は組長の弟分だからである。組長になるのは若衆でなくてはならないのだ。
ヤクザが足を洗おうとすると追っ手がかかる場合とかからない場合がある。彼は組織に対して功績があったのでそれはなかったようだが、それは今後、組織と同じシノギをしないことが条件となる。
―今はどうやって生活しているのか?
「お決まりの生活保護だよ。絶縁状を持って役所に行ったらすぐに下りた。今、頼れるのはこれだけ。今は毎日ずっと寝てるし、年を越すだけで精一杯だよ」
実は元ヤクザには就労指導もなく、意外と簡単に生活保護が下りる。それはなぜか。元ヤクザは履歴書に事実を書くと、雇ってくれる企業がない
という"正当な"理由があるからだ。現在、男を助けてくれるのは生活保護のみ。男を磨くためにヤクザになり、男を通すために懲役で12年を過ごしたが、それはなんの実にもならなかったということだ。